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秋葉淳一のトークセッション 第2回 自動(dòng)化、デジタル化の本質(zhì)株式會(huì)社フレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一 × 株式會(huì)社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤大和
公開日:2019/02/28
株式會(huì)社アッカ?インターナショナルが大和ハウスグループの傘下となって約1年。大きな変革が起きている物流業(yè)界の中で、今何が起きていて、何が必要なのか。これからの物流の在り方を語っていただきました。
ロジスティクスの自動(dòng)化はどこまで進(jìn)んだか
秋葉:アッカ?インターナショナルでは、オペレーションの立場(chǎng)で大規(guī)模なロボットの導(dǎo)入を進(jìn)められ、大きな成果を生み出しました。これまでにない様々な新たな課題や解決しなければならないことがわかった1年だと思います。
加藤:1年前にロボットを入れて、テストをして、ある程度いけるという感覚を得て、それが今は300臺(tái)規(guī)模になりました。ところが、300臺(tái)を動(dòng)かすのと30臺(tái)を動(dòng)かすのでは、全然違うハードルがありました。業(yè)務(wù)のオペレーションの中でもそうですし、規(guī)模の経済も加速し、収支にも顕著に現(xiàn)れ始めています。大規(guī)模になればなるほど効果が出てくることもわかりました。最初はやっぱりバタバタしました。いろいろとわからない部分もあったり、間違えて使ってしまったり、そういうことも含めて、悪い面と良い面を両方経験できました。
秋葉:自動(dòng)化にはいくつかのポイントがありますが、今年1年で見ると、棚搬送でもそうですし、MR型、AGVでもそうですが、一通りのものが出そろってきて、価格の話になってきています。まったく新しい技術(shù)が出てこない限り、各社のロボットの性能が大きく違うかというと、それほど違いはないと思いますから、あとは価格勝負(fù)になってきました。ということは、來年から再來年、おそらく3PLの企業(yè)をはじめ、様々な企業(yè)が自動(dòng)化への取り組みも始めるのではないでしょうか。
加藤:私たちが自動(dòng)化の取り組みを行ったのは、ピッキング、入荷、棚入れのところです。あとは、RFIDを使った入荷も今スタートしています。今までは人の手でひとつずつやって、1時(shí)間あたり150~200くらいしか処理できなかったものが、今では、1時(shí)間當(dāng)たり3000くらい処理ができるようになりました。ただ、そこの部分だけ最適化しても全體としてはあまり意味がありませんので、そこから他のパートと連攜していく手法やシステムを創(chuàng)り上げていかなければなりませんでした。クライアントと一緒にやったり社內(nèi)でテストしたりして、それがどんどん自分たちのノウハウになってきました。今では、新しいセンターを作るとなると、最初から、どういうかたちでどの程度やっていけばいいかということが設(shè)計(jì)段階でわかります。ですから、ロボティクスにしても自動(dòng)化にしても、うまく使えるようになってきましたね。
秋葉:自動(dòng)化といっても、すべて自動(dòng)化する必要はありませんし、またできません。たとえば、物流のフェーズでいうと、返品されてきたものを再販可能にする、お直しするなど、そこだけは當(dāng)面人間がやるしかないのではないでしょうか。また、箱詰めにおいても、ぴったり綺麗に箱に入れるような、學(xué)生服が典型的なのですが、箱の中に綺麗に入れることをロボットでやっていたら、さすがに生産性が合わないでしょう。できるものとできないものがあるという分け方をきちんとしたうえで、できるものはロボットで全部やってしまえばいいと思います。
ただし、真贋チェックはロボットではどうしようもないという話がある一方で、返品で來たものをすべて人間が処理しなければいけないのか、ということにも取り組む必要があります。そうしたことを含めて、數(shù)字を見てセンター長が判斷するポイントをきちんと整理する、エリアマネージャーは何を見て判斷すればいいのかなど、自動(dòng)化を進(jìn)めていくには、いろいろなことがあると思います。
加藤:ロボットといっても萬能ではなく、使い方を間違えると諸刃になります。例えば、充填率というロボットの棚の中にどれくらい入っているかを示す指數(shù)があります。適正な充填率が70%だったとすると、70%を超えた瞬間に、ロボットによる生産性は人が手でやるよりも悪くなっていくのです。これはわかりやすい例ですが、そういったルールがたくさんあります。運(yùn)用に合わせてルールを作って、現(xiàn)場(chǎng)がそれにちゃんと従えるようにやっていかないと、逆にロボットが足かせになっていきます。間違った使い方をすると、とんでもない悪の鉄の塊になってしまいます。
秋葉:そこがやっぱりロボットですよね。指示されたことしかしない、決まったことしかしないのがロボットなので、それをどう使うかは人間が考えないといけません。
自ら結(jié)果を出しているから、お客様に自信を持って提供することができる
秋葉:人間がする最大のことは、ロボットをいかに使いこなすかということ、それと、ロボットにさせることは何かをきちんと決めることです。
加藤:きちんと使いこなすには、失敗することも大事です。失敗しないとわからないですから。
秋葉:その試行錯(cuò)誤を私たちがこのタイミングで行っているのが強(qiáng)みだと思っています。自動(dòng)化をいち早く導(dǎo)入された荷主さんには、ノウハウが貯まっています。ただ、それを?qū)毪扦皮い牒芍鳏丹螭稀ⅳ饯欷胜辘我?guī)模の荷主さんしかいません。
荷主ではなく、アッカ?インターナショナルがロボットを300臺(tái)導(dǎo)入し、これだけの結(jié)果を出してきた。そこがポイントです。自らやって事業(yè)化できているから、全體としてのサービスが提供できるわけです。私たちはロボットメーカーではないので、ロボットを使えますというだけではだめで、実際に使って効果を出すというところまでいかなくてはなりません。
加藤:最初は苦労がありましたが、今では経済的にも明らかに結(jié)果を出しています。
秋葉:確かに、最初はバタバタしたことも多くありました。初めて起こる課題がたくさんありましたから。しかし、落ち著き始めてからの効果の出方のスピードがまったく違います。人間のオペレーションだと、何人かのレベルが上がらないといけないので、生産性はゆっくりしか上がりません。ロボットだと使い方が綺麗になった瞬間に一気に上がります。すごい角度です。それからは周りが見る目が全然違いました。
加藤:痛い目に遭いながら理解しました。これで大丈夫か?というところから、様々な課題を改善した瞬間にロボットによる生産性が上がり、一気に黒字になりました。先ほど申し上げた充填率に関しては、荷主様の入荷量が非常に大きなキーになっており、この調(diào)整が安定稼働に必要だと痛感しました。自分たちで試行錯(cuò)誤して編み出した技もあります。この1年でかなりパワーアップしたといえるのではないでしょうか。
秋葉:ロボットを?qū)毪工毪摔ⅳ郡盲?、入荷量を適切にコントロールすること、つまり計(jì)畫精度は本當(dāng)に大切です。実はみんなわかっているんです。押し入れにどんどん布団を押し込めたら布団を出すときに大変だと、実はみんな経験しているはずなのに、まだ入るだろうとか、送られてくるのだから仕方がないといいながら、押し入れの中にモノを入れ続け、パンパンになってしまっています。
加藤:また、自動(dòng)化によって生産性を上げるには、ロボットを8割以上使った現(xiàn)場(chǎng)にしないと、びっくりするような生産性は出ません。つまり、本當(dāng)のコアバリューを見失うくらい、ロボットというのは恐ろしい武器なわけです。ロボットをうまく動(dòng)かすには、もう一度全體を見つめ直して、整理し直して、広げるなら広げる、狹めるなら狹める、そしてきちんと稼働させることです。それをした結(jié)果一気に伸びました。
デジタルはコピーできる
秋葉: Hacobu社主催のシンポジウム「MOVOFORESIGHT2018」でお話ししたことですが、なぜロボットにしたほうがいいか、なぜデジタル化したほうがいいか、いろいろな提案はあるのですが、もっとも大きなポイントはコピーできることなんです。その成功した経験をいきなりコピーできることです。アッカ?インターナショナルが、これまでは苦労したかもしれませんが、作り上げてきたノウハウ、できあがったオペレーションシステムは、次のところに持っていってもそれができるということです。それがすごく大きいポイントです。
加藤:人はコピーできませんし、無理です。また、そのコピーしたレベルは後退しないですからね。一度作ったところまでは、次にも必ずそこからスタートになりますから、そこ以下になることはありません。
秋葉:屬人ではありませんから、人が変わっても問題ありません。そこも見據(jù)えて、成長したいのであれば、そこにある程度のお金を使うのは當(dāng)然だと思います。 これもずっと提案し続けていますが、私たちはサービスプロバイダーなので、私たちだけが直接作業(yè)する部分があると、必ずここがボトルネックになります。そうではなくて、私たちが経験したこと、サービスを使ってもらいたいのです。 そもそもサービスプロバイダーという言葉自體は、システム業(yè)界の中で使われてきました。ソリューションプロバイダーといわれていたものが、クラウド環(huán)境等が出てきてサービスという表現(xiàn)になり、それをプロバイドするというかたちになってきています。それを物流業(yè)界の中で同じような構(gòu)造で適用すると、建物、ロボット、マテハン、それらを制御するシステム、アッカ?インターナショナルでいえば「アリス」(在庫データ連攜システム)のように売上に貢獻(xiàn)するような仕組みも含めて準(zhǔn)備して、それを提供していくということなのだと思います。
すべての方に使っていただき、一緒にロジスティクスのバリューを上げていきたい
秋葉:サービスプロバイダーを標(biāo)榜しながら、なぜ私たち自らオペレーションをしているのかというと、ロジスティクスでは、ロボットも使う、マテハンも使う、人も使う。あるいは、どれだけ効率的に、負(fù)荷なく人に仕事をしてもらうかということを含めて考えていかなければならないからです。 お客様にとって最大化できるセンターとはどうあるべきかを含めて、全體として提供する。つまり、建物のプロバイダー、マテハンのプロバーダーということではなく、ロジスティクスの仕組み全體をサービスと捉えて提供するということなのです。お客様に提供するものが大きくなればなるほど、お客様が決斷するハードルも非常に高くなります。しかし、そこまでやらないと効果がありません。ですから、自らがそこを示すことが大事です。アッカ?インターナショナルもダイワロジテックもフレームワークスも、それを?qū)g行しています。ですから、こういう仕組みは、荷主だけではなく、3PLの會(huì)社にも使ってほしいのです。私たちが結(jié)果を出した仕組みを共有させてほしいと思っています。 荷主の方や3PLの方が、このマテハン機(jī)器を使いたい、このロボットを使うにはどうすればいいか、ということでもまったく構(gòu)いません。どこをどう活用していただいてもいいわけです。 3PLの企業(yè)が見ている將來と私たちが目指しているところはほとんど同じだと思います。その目指すべきところに一緒に向かうのは當(dāng)然のことですし、スピード感は多少違ったとしても、一緒にレベルを上げていきたいと思っています。
それは、物流センターの価値という観點(diǎn)からも同様です。様々なプレイヤーに活用いただくことで、建物も含めて、こうあったほうがいいということがフィードバックされます。そうすると、フィードバックされた結(jié)果として荷主に最適な建物や立地の提案ができるようになりますし、建物とロジスティクス戦略の組み合わせが最適化すれば、建物(センター)の価値を上げることになります。
多くの物流の現(xiàn)場(chǎng)では、まだまだ人海戦術(shù)です。では、もう人海戦術(shù)ではやりきれなくなってきたとき、どんなやり方があるでしょうか。ロジスティクスの全體の仕組みを変革していくしかありません。まだ、未開拓な分野であり、どれだけの投資まで大丈夫なのかという正解は誰もわかりません。ですから、私たちが先行し、研究開発を続けているのです。 業(yè)界全體の役に立つように研究開発をしていきたいと思っています。一緒にロジスティクスのバリューを上げていくということです。 その結(jié)果、お客様にとって、あるセンターに荷物を預(yù)けると間違いなく荷物が屆く、それも効率化された価格できちんと屆くという基本を適切に提供することができるわけです。
トークセッション ゲスト:學(xué)習(xí)院大學(xué) 経済學(xué)部経営學(xué)科教授 河合亜矢子
- 第1回 物流を知り、理解することから始まる
- 第2回 テクノロジーでネットワーク化し、全體最適を図る時(shí)代
- 第3回 現(xiàn)在の學(xué)生が業(yè)界の中心となる30年後、企業(yè)はどうあるべきかを考えたい
トークセッション ゲスト:セイノーホールディングス株式會(huì)社 執(zhí)行役員 河合秀治
トークセッション ゲスト:SBロジスティクス株式會(huì)社 COO 安高真之
トークセッション ゲスト:大和ハウス工業(yè)株式會(huì)社 取締役常務(wù)執(zhí)行役員 建築事業(yè)本部長 浦川竜哉
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社Hacobu 代表取締役CEO 佐々木太郎
トークセッション ゲスト:明治大學(xué) グローバル?ビジネス研究科教授 博士 橋本雅隆
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社 日立物流 執(zhí)行役専務(wù) 佐藤清輝
- 第1回 LOGISTEEDで物流の新領(lǐng)域へ
- 第2回 LOGISTEEDの「デジタルプラットフォーム」で次世代ロジスティクスへ
- 第3回 LOGISTEEDのSSCV技術(shù)が物流の世界を拡げていく
トークセッション ゲスト:流通経済大學(xué) 流通情報(bào)學(xué)部 教授 矢野裕児
- 第1回 モビリティを再編し、物流起點(diǎn)のイノベーションを起こす
- 第2回 「その場(chǎng)対応のロジスティクス」から「先を読んだロジスティクス」の世界へ
- 第3回 物流ネットワークの在り方が変われば物流が変わる
トークセッション ゲスト:アスクル株式會(huì)社 CEO補(bǔ)佐室 兼 ECR本部 サービス開発 執(zhí)行役員 ロジスティクスフェロー池田和幸
トークセッション ゲスト:MUJIN CEO 兼 共同創(chuàng)業(yè)者 滝野 一征
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社ABEJA 代表取締役社長CEO 岡田陽介
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社ローランド?ベルガー プリンシパル 小野塚 征志
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
スペシャルトーク ゲスト:株式會(huì)社ママスクエア代表取締役 藤代 聡
スペシャルトーク ゲスト:株式會(huì)社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰
- 第1回 お互いのビジネスが「シェアリング」というコンセプトで結(jié)びついた
- 第2回 まずは見ていただいて、シェアリングの世界を感じていただきたい
- 第3回 シェアリング物流のコアで、かつ本質(zhì)的なところは、進(jìn)化すること
秋葉淳一のロジスティックコラム
トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式會(huì)社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式會(huì)社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏
「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ
- Vol.1 究極の顧客指向で「在庫」と「物流資産」を強(qiáng)みとする「トラスコ中山」
- Vol.2 「グローバルサプライチェーン」で食を支える日本水産
- Vol.3 「當(dāng)たり前を地道にコツコツ」実現(xiàn)したヨドバシカメラのロジスティクスシステム
- Vol.4 「新たなインテリア雑貨産業(yè)」を構(gòu)築したニトリホールディングス
- Vol.5 物流不動(dòng)産の価値を上げる「人工知能」が資産価値を上げる
- Vol.6「ロボット」が資産価値を上げる
- Vol.7「人財(cái)」が資産価値を上げる
- Vol.8「ビッグデータ」が資産価値を上げる
- Vol.9 AI、IoTがCRE戦略にもたらすこと
「物流は経営だ」シリーズ
土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)
株式會(huì)社フレームワークス會(huì)長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構(gòu)築に攜わる。
その後、多くの企業(yè)のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構(gòu)築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會(huì)社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構(gòu)築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導(dǎo)入をサポートしている。
単に言葉の定義ではない、企業(yè)に応じたオムニチャネルを?qū)g現(xiàn)するために奔走中。