土地活用ラボ for Biz

コラム No.27-19

サプライチェーン

秋葉淳一の「CREはサプライチェーンだ!」 Vol.9 AI、IoTがCRE戦略にもたらすこと

公開日:2017/11/30

POINT!

?サプライチェーンマネジメントが、AI、IoT技術の出現によって大きく変わる

?移動時間もコストも、人による意思決定のタイムロスもなくなる

企業、特にメーカーがCRE戦略を策定するにあたって、必ず考慮しなければならないテーマとなるのがサプライチェーンマネジメントです。本來のCRE戦略とは、このサプライチェーンをいかに効率的に、最大効果が出るように構築するかということでもあります。原材料の入荷から、製造、加工、出荷を行う工場と配送センターにどのような機能を持たせるかによって、立地や広さ、そして建物の設計が変わり、生産計畫のみならず雇用の問題まで包括する経営の根幹ともいえるでしょう。
そして今、CRE戦略を左右するサプライチェーンマネジメントが、AI、IoT技術の出現によって、大きく変わろうとしています。

CRE戦略に密接に関係するサプライチェーンマネジメントが変わる

サプライチェーンマネジメントは不確実性との戦いです。たとえば、販売計畫や需要予測をもとに、製造計畫や在庫計畫、出荷計畫を立てる際に、これまで多くの企業ではその前の期などの過去のデータを分析?參照しながら、次期の計畫を立ててきました。つまり、予測不可能な將來の計畫を立てるのです。また、次期の計畫を立てるということは、まさに経営判斷の大きなポイントであり、これまでは、そこには大なり小なりの「人」による意思決定のさじ加減とタイムロスがありました。
ところが、AI、IoT技術の出現によって、ほぼリアルタイムにデータが取れるだけではなく、そのデータが蓄積され続けていくことで、さまざまなパターンをAIが學習し、偏った意思のない生産計畫や出荷計畫の立案が可能になります。
ということは、需要データがそのまま生産計畫から出荷計畫までリアルタイムにつながり、無駄な業務プロセスが不要になります。これまでの製造プロセスごとのオーダーシステムや、人の判斷による指示業務などが多くのシーンで不要になるのです。
加えて、意思決定をAIが行うことで、そのタイムロスもなくなります。さらに、「優秀な人」はコピーできませんが、「優秀なAI」のコピーは簡単です。
また、仮にこうしたサプライチェーンのロジスティクスを一つの場所で行うことが可能になれば、原材料や製品などの移動も不要になるため、情報とモノ雙方が同時に動くことになります。
モノの移動時間もコストも、情報をもとにした人による意思決定のタイムロスがなくなります。これによって、業務プロセスごとの受発注業務も不要となり、まさにサプライチェーンマネジメントが一変することになるのです。これまでサプライチェーンやバリューチェーンを構築するうえでは、必ず人による意思決定のポイントがあり、このポイントを考慮しながら組み立てられてきました。その意思決定のシステムが大きく変わろうとしているといってもいいでしょう。

従來のデータ予測との違い

需要データに基づいた従來の自動的なオーダーシステムは、小売店の在庫が一定數を割るとアラートが出て、購買擔當者がメーカーや卸にオーダーをかけるといった仕組みです。自動発注システムも考え方は同じです。そこでの発注者は、「これは新商品が出るから待った方がいい」「たまたま売れただけだ」などという判斷をして最終的な意思決定をしていたわけですが、結果的に屬人的になり、タイムロスも起きます。極論すれば、そこに、多くの情報から導き出される「知能」は存在していなかったともいえるでしょう。
AIによるサプライチェーンマネジメントでは、機械學習によって、今後の需要予測やさまざまな要因まで考慮した結果を判斷することができるため、人よりもむしろ正しい判斷をすることも多く、しかも早いという利點があります。

CREはどうなる?

こうなると冒頭で述べたように、どのような立地、広さ、スキームで不動産資産を活用していくかというCRE戦略も大きく変わることになります。
具體的な解は、各社これから技術革新を自社のサプライチェーンマネジメントに取り入れながら見つけ出していくのでしょうが、「人による意思決定」ありきで考えられたシステムでは、これからのAI?IoT時代にはそぐわないことは間違いないでしょう。

今後、CRE戦略を構築するにあたって、以下のような観點から考察していく必要があるのではないでしょうか。

  1. (1)情報の同時性が実現する場合、顧客へのサービスを考えた場合、どのような立地が考えられるか?
  2. (2)データの蓄積によって、ロボットによる庫內作業が実現すれば、雇用の問題はどうなるか?(立地條件で最優先だと考えられていた雇用問題をどう考えるか?)
  3. (3)情報の同時性が実現した場合、本社オフィス、生産工場、配送センターのCRE戦略をどのように考えればいいか?

こうした観點を考慮しながら、既存ビジネス、新規事業ビジネスの経営戦略に合わせたCRE戦略を練っていく必要が出てくるでしょう。

トークセッション ゲスト:學習院大學 経済學部経営學科教授 河合亜矢子

トークセッション ゲスト:セイノーホールディングス株式會社 執行役員 河合秀治

トークセッション ゲスト:SBロジスティクス株式會社 COO 安高真之

トークセッション ゲスト:大和ハウス工業株式會社 取締役常務執行役員 建築事業本部長 浦川竜哉

トークセッション ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役CEO 佐々木太郎

トークセッション ゲスト:明治大學 グローバル?ビジネス研究科教授 博士 橋本雅隆

トークセッション ゲスト:株式會社 日立物流 執行役専務 佐藤清輝

トークセッション ゲスト:流通経済大學 流通情報學部 教授 矢野裕児

トークセッション ゲスト:アスクル株式會社 CEO補佐室 兼 ECR本部 サービス開発 執行役員 ロジスティクスフェロー池田和幸

トークセッション ゲスト:MUJIN CEO 兼 共同創業者 滝野 一征

トークセッション ゲスト:株式會社ABEJA 代表取締役社長CEO 岡田陽介

トークセッション ゲスト:株式會社ローランド?ベルガー プリンシパル 小野塚 征志

トークセッション ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和

スペシャルトーク ゲスト:株式會社ママスクエア代表取締役 藤代 聡

スペシャルトーク ゲスト:株式會社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰

秋葉淳一のロジスティックコラム

トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和

トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏

「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ

「物流は経営だ」シリーズ

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式會社フレームワークス會長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構築に攜わる。
その後、多くの企業のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業に応じたオムニチャネルを実現するために奔走中。

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