
PREコラム
戦略的な地域活性化の取り組み(9)スポーツ施設(shè)を含んだ中核施設(shè)を活用
公開日:2019/01/30
スポーツ施設(shè)を含む中核施設(shè)としての「スマート?べニュー®」
スマート?ベニューとは、日本政策投資銀行によれば「これからの街づくりおよびコンパクトシティの中核施設(shè)として、周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機(jī)能を組み合わせたサスティナブルな交流施設(shè)」とされています。 少し內(nèi)容を分解しますと、(1)街づくりの中核施設(shè)であること、(2)周辺のエリアマネジメントを含んでいること、(3)複合的な機(jī)能を持つ施設(shè)であること、(4)サスティナブルな施設(shè)であること、(5)(人々の)交流施設(shè)であること、ということでしょう。街づくりに必要な機(jī)能がすべて網(wǎng)羅されています。
そして、この中核施設(shè)において、魅力あるコンテンツとなるのが「スポーツ」です。これまでのスポーツ施設(shè)は、大半がスポーツを行うという機(jī)能だけのものでしたが、単なるサッカー場(chǎng)や野球場(chǎng)としてだけではなく、イベントや市民活動(dòng)の場(chǎng)としても利用可能な複合機(jī)能を備えた施設(shè)ということになります。また、周辺地域のエリアマネジメントの中核機(jī)能を備えることから、公的機(jī)関や學(xué)校、企業(yè)、市民などとの協(xié)働の場(chǎng)でもあります。さらに、サスティナブルな施設(shè)とするために、単なる公共施設(shè)ではなく、官民連攜による運(yùn)営で収益性を備えた施設(shè)ということになります。このようなハイブリッドなスポーツ施設(shè)を?qū)g現(xiàn)するには、地域に関わるステークホルダー間の高度な連攜によるマネジメントが必要でしょう。前回ご紹介した東京ドームシティやさいたまスーパーアリーナ、広島市民球場(chǎng)周辺の再開発がその具體例だと思います。
「アオーレ長(zhǎng)岡」の試み
地域振興の中核としてのスポーツ施設(shè)の事例として、新潟県長(zhǎng)岡市のJR長(zhǎng)岡駅前に、平成24(2012)年にオープンした「アオーレ長(zhǎng)岡」の事例を紹介します。 「アオーレ長(zhǎng)岡」は、老朽化した市民活動(dòng)の多目的ホールであった厚生會(huì)館の建て替えを機(jī)に、中心市街地の活性化を目指して、アリーナや屋根付き広場(chǎng)、市役所機(jī)能を集約して整備されました。現(xiàn)在も、平成28(2016)年に開幕した男子プロバスケットリーグの新潟アルビレックスBBのホームになるなど、新しい街づくりの拠點(diǎn)として、挑戦が続けられています。
「アオーレ長(zhǎng)岡」は、JR長(zhǎng)岡駅前に以前、長(zhǎng)岡市公會(huì)堂や長(zhǎng)岡市厚生會(huì)館などの文化交流施設(shè)が所在した地區(qū)にあり、アリーナや市民交流ホールなどを持つ交流施設(shè)、市民交流の場(chǎng)である屋根付き広場(chǎng)「ナカドマ」、それと市內(nèi)に分散していた市役所機(jī)能を集約した庁舎の3つの施設(shè)のコンプレックス空間です。エントランス部となる屋根付き広場(chǎng)「ナカドマ」の奧にアリーナ、「ナカドマ」を挾むように2つの庁舎が配置され、市民交流空間が創(chuàng)り出されています。各種屋內(nèi)スポーツをはじめ講演會(huì)、集會(huì)、展示會(huì)、コンサートなど多目的に利用できるアリーナをはじめ、オープンスペースである「ナカドマ」とアリーナ、あるいは庁舎と連攜した空間で、様々なイベントへの対応が可能な設(shè)計(jì)となっています。
市民公債の活用で市民參畫意欲を向上
長(zhǎng)岡市では、「アオーレ長(zhǎng)岡」の計(jì)畫段階から、市民協(xié)働?交流の拠點(diǎn)づくりをコンセプトとして、市民參畫型交流空間の創(chuàng)造への検討を進(jìn)めてきました。オープン後は、NPO法人ながおか未來(lái)創(chuàng)造ネットワークが、施設(shè)整備だけでなく、各種イベントの積極的な企畫?運(yùn)営を行っており、市民協(xié)働を?qū)g現(xiàn)させています。また特徴的なのは、平成22(2010)年と平成23(2011)年に、それぞれ10億円、15億円の市內(nèi)在住者に限定した住民參加型市場(chǎng)公募地方債「アオーレ長(zhǎng)岡市民債」を発行し、約130億円といわれる総工費(fèi)の一部に充當(dāng)されている點(diǎn)です。この市民公債は、市民に大変好評(píng)であったといわれ、市民の參畫意欲を高める試みとして、他地域にも參考となる施策だと思います。
施設(shè)利用者は増加、中心市街地全體への波及は今後の課題
長(zhǎng)岡市の資料によれば、平成28年度(2016年度)の施設(shè)利用者數(shù)は約140萬(wàn)人超で、そのうちイベント來(lái)場(chǎng)者?ホール等利用者數(shù)は約96萬(wàn)人、また施設(shè)稼働率は80%を超えており、周辺地域の中核施設(shè)として十分に機(jī)能していることが窺えます。JR長(zhǎng)岡駅前のまちなか歩行者數(shù)も、オープン前の平成23年(2011)と平成26年(2016)とを比較すると、休日では約57千人だったものが約86千人と約1.5倍に、平日でも約82千人から94千萬(wàn)人と約1.15倍に増加しており、地域への市民の流入、交流が促進(jìn)されていることが推測(cè)されます。 一方で、「アオーレ長(zhǎng)岡」が立地するJR長(zhǎng)岡駅周辺エリアの歩行者通行量が大幅に増加し、集中しているため、今後は、「アオーレ長(zhǎng)岡」と連攜した取組により、まちなかへの回遊性を高め、中心市街地全體の歩行者通行量を増加させることが課題とされています。これに対して長(zhǎng)岡市では、NPO法人ながおか未來(lái)創(chuàng)造ネットワークが、中心市街地整備推進(jìn)機(jī)構(gòu)のメンバーとなり、「アオーレ長(zhǎng)岡」の周辺地域と連攜したイベント等を展開するなど、「アオーレ長(zhǎng)岡」利用者がまちなかを回遊するような取組を始めており、中心市街地全體の賑わい創(chuàng)出に向けた試みが始まっています。
今回は、スポーツを含めた複合施設(shè)である「アオーレ長(zhǎng)岡」の事例から、中核施設(shè)を中心とした地域振興の取組を見(jiàn)てきました。「アオーレ長(zhǎng)岡」は、市民交流の中核施設(shè)として一応の成果を収めている事例だと思います。今後は、さらに広域なエリアマネジメントの展開により、これまでの活動(dòng)の成果が地域全體へ波及することが期待されます。
- ※「スマート?ベニュー」は、株式會(huì)社日本政策投資銀行の登録商標(biāo)です。