バックオフィスのデジタル化
第7次中期経営計畫における、海外売上高と営業利益を大きく成長させる目的を達成するためにも、グローバルでのIT環境の整備およびそれにともなうITガバナンスやセキュリティ対策の強化は必要不可欠と考えます。
グループ全體でのITコストが最適化され、見える化が図れており、事業環境やテクノロジーの変化、セキュリティ対応が擔保され、事業戦略?成長に向けたIT環境が整備管理された狀態を目指します。
會社としてムダな投資が避けられ、標準化(業務フローや利用ツールの共通化)にともなうリソースの共有化などにより社員としても働きやすい環境(グローバル規模でどこに異動しても同じルール)が整備されている狀態を構築します。
下記のイメージ図は第7次IT中期経営計畫の最終年である2025年度に向けて目指すべき姿となります。
本社の関連各部門との連攜を深めつつ、本社機構と各社との一體となったITガバナンス推進體制を構築していきます。
グローバルに適用できるITガバナンス関連の規程?ルールを順次整備しつつ各社での展開?定著を支援し、IT管理レベルを自己評価できる仕組みを導入することで、RC(リージョンカンパニー制)拠點を中心とした管理の強化、各社でのITガバナンス成熟に向けた自律自走を促進し、リスクの削減を目指していきます。
図1:當社グループ全體のシステムアーキテクチャ
將來的には、RC単位での管理強化?自律自走を目指してRC単位でIT擔當者を配置しつつ、HQ(當社情報システム部門)とRC拠點での権限?役割分擔の見直しを行い、海外事業の成長加速および海外ガバナンス體制強化に貢獻していく體制を構築していきます。
グローバル全社でのITガバナンスの強化?底上げを行っていくために、2023年度に、COBIT2019(*1)に準拠した、大和ハウスグループ全社でのITポリシーとなる『グループIT基本規程』、ITセキュリティに関するスタンダードとして『グループITセキュリティ基準』を発行すると共に、各社での定著を行うための説明會を開催しました。
また、2024年度にはスタンダードの第2弾として『グループIT事業継続管理基準』を発行?展開し、各社でのITガバナンス推進の更なる強化を行いました。現在、各社での定著狀況の確認や定著に向けた支援を行っています。
本社機構として『グループITガバナンス運営事務局』を設立すると共に、グループ各社でも『ITガバナンス運営責任者』および『ITガバナンス運営擔當者』を任命、2024年度は各リージョン単位でIT連絡會を開催し、様々な意見交換を行い、各社とのコミュニケーション基盤の強化を行いました。
また、本社內においても、海外本部や総務部等の関連部門との相互協力體制を構築し、ITガバナンスに関する各部門で保持している情報を共有化、部門間で活用していくことで業務の効率化や連攜強化を図ると共に、グループ各社への調査負荷の削減を図りました。
今後、本社機構とグループ各社との連攜體制を検討し、グローバルでの施策推進體制を構築していきます。
2022年度から2023年度にかけて、セキュリティ狀況の確認?分析ツールとしてのSecureSketCHを活用して、M&Aの會社含め、海外の子會社のIT調査?ヒアリングを実施し、各社のIT環境の実態の把握?可視化を行いました。
そして、2024年度には、ITセキュリティ診斷に加えて、ITガバナンス診斷をSecureSketCHを活用して実施すると共に、各社や地域別の傾向分析等を行い、IT連絡會を通じて各社と共有?意見交換を行い、また、本社の関連部門とも共有を行いました。
これにより、海外グループ會社の傾向が把握でき、サイバー攻撃対策の一環としてのCybereason展開、IT資産の管理の強化や自社ネットワークへの不明機器からのアクセス検知によるリスク削減を目的としたTaniumの展開等、様々な施策の具體的展開を行っていくことができました。
ITガバナンス診斷?ITセキュリティ診斷については、調査項目を見直しつつ毎年継続して実施し、これを活用することで各社での自己チェック?改善という各社での自律自走につなげ、ITガバナンスの成熟度の更なる推進に繋げていく予定です。
(*1)COBIT2019:Control Objectives for Information and Related Technology(情報および関連技術のための管理目標)の略稱であり、ITガバナンスと管理に関する包括的なフレームワークのこと
『グループIT基本規程』を頂點として、それに紐づく各種ITのスタンダード規程を順次発行していくことで、グループ各社でのITガバナンスに対する意識が高まり、自社向けのガイドラインの作成等定著に向けた取り組みも各社で始まっています。グループITガバナンス運営事務局においても、本社関連部門と連攜を取りつつ、順次定著に向けた支援を実施しています。
今後も各種ITのスタンダード規程について、優先順位をつけて、各社での定著狀況等を確認しつつ、順次整備?展開していく計畫を立てており、87期はシステムの企畫?開発から保守?運用、そして廃棄に至る流れに沿った『システムライフサイクル管理』、そして『IT資産管理』のスタンダード規程およびその補足資料等の発行を行っていく予定です。
2023年度実施のIT調査?ヒアリング、2024年度実施のITガバナンス診斷?ITセキュリティ診斷により、海外グループ會社でのIT環境が把握できただけでなく、様々な課題等がわかり、サイバー攻撃対策の一環としてCybereason展開をはじめ、支援や対策検討を行っていくことで、リスク削減に繋げることができました。また、M&A會社も含めた海外グループ會社との連攜を深め、コミュニケーション基盤構築を行いました。
今後もITガバナンス診斷?ITセキュリティ診斷を年1回継続して実施し、RC(リージョンカンパニー)と連攜を取りつつ、フォローを実施していきます。
各種ITガバナンス関連の規程によるルールの整備、Taniumでのモニタリング、SecureSketCH でのITガバナンス診斷?ITセキュリティ診斷によるセルフチェック、これらを組み合わせて運用していくことで、各社での自律自走を促進していく予定です。
本社部門間での情報共有化や更なる連攜強化を図り、施策推進調整を行いつつ、共同推進等も行っていきます。
各社で任命された『ITガバナンス運営責任者』『ITガバナンス運営擔當者』と本社との連攜體制の更なる強化を図り、一體となった推進を行っていくと共に、RC拠點を中心としたRC単位での管理強化?自律自走に向けた環境整備や體制検討を行っていきます。
経営戦略本部 デジタル戦略部
企畫統括室ガバナンスグループ 加藤 純
継続的成長発展のために各社と共に推進を。
そして、各社での自律自走を
海外を中心に今後ますます事業が加速的に展開拡大していく中、ITガバナンス推進?管理強化は必須かつ急務であり、単にIT基盤を整備するだけでなく、それを継続的に成長発展させていく組織?體制作りが必要です。
①HQとしてITガバナンス推進に必要となる規程を整備しつつ、②RC體制と連動して推進していく體制?基盤を整え、③各社でも自己チェック?改善による自律自走を促していき、各社とともにグローバルに対応できる組織へと成長させていきたいと考えています。
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