犬の健康も大切、人間にとっての暮らしやすさも大切。機能性やデザイン性のバランスを考えて愛犬が健やかに暮らせる環境をつくりましょう。

┃事故を防ぐ環境づくり

住まいの中には、犬にとって思わぬ危険が潛んでいます。例えば小型犬の場合、お湯をはった浴槽に転落する事故が報告されています。簡単に浴室に入れないように鍵をつける、浴槽にはフタをするなどの工夫をして事故を防ぎましょう。

階段を上り下りしていて転落し、大ケガに至ってしまうケースも少なくありません。上下階の移動はなるべく人が抱っこして行いましょう。犬が勝手に移動しないようにペットゲートを利用するのも一手です。

フローリングで滑ったり、腰や関節を傷めたりすることも多々あります。専用のコーティングを施すと滑りやすさは緩和されます。カーペット敷きにすればクッション性が高まりますが、抜け毛などの掃除が大変だったり、粗相をしたときのクリーニングが大変というデメリットも。どちらが良いとは一概に言えませんので、ご家庭にふさわしい素材をお選びください。

┃體にやさしい素材を

犬は人間よりも人工的な環境の影響を受けやすいものです。目に見えない空気の質や、溫熱環境にも気を配ってあげましょう。

建材や家具などに含まれるホルムアルデヒドなどが原因となるシックハウス癥候群にも注意したいところ。住宅に設けられているシックハウス対策設備がきちんと機能しているか確認しましょう。できるだけ自然素材や環境に配慮した建材を採用することをお勧めします。

┃ストレスにも注意

人間と同じように犬にもストレスがあります。もともと群れをつくって生活する習性があるので、孤獨な環境は苦手。犬の性格にもよりますが、ひとりぼっちの時間はストレスを感じています。かといって、24時間密に接しているのもNG。ほど良い距離感で、家族の気配を感じていられるように配慮してあげましょう。

愛犬の健康?快適　Q＆A

Q　犬のために一日中空調しますが、エアコン代が気になります。

A　不在時に犬が過ごすエリアを限定すれば、冷暖房コストを抑えられます。一日の最低?最高室溫がわかる溫度計などを利用して、エアコンが必要な時期?時間帯を見極め、タイマーを活用するのもお勧めです。

Q　シャンプーや足洗いが大変。ラクに行う方法はないですか？

A　新築やリフォームの際には、玄関近くに足洗い場をつけるのがお勧め。自宅でシャンプーをするなら、40cm程度の深さがあるペット用のシンクを設けましょう。シャワーヘッドは手元でオン／オフできるタイプが便利です。

Q　犬のニオイが気になるのですが…。

A　消臭クロスや塗り壁、脫臭機能付き換気扇、空気清浄機を利用してはいかがでしょうか。ちなみに、ニオイが気になるからといって犬の居場所のそばに換気扇を設けると、汚れた空気やほこりを犬のまわりに集めてしまうのでNGです。また、空気の流れを確認して、トイレの位置は排気に近い場所に。

Q　犬に洋服や靴は必要なのでしょうか？

A　基本的に犬は洋服や靴を必要としません。しかし、犬のファッションを飼い主が楽しむことで、犬自身も楽しい気分になれるという一面はあります。また、皮膚病のため體をかいてしまうのを洋服で防いだり、靴を履かせてアスファルトで肉球が傷つくのを防ぐ、外出の時に著せて寒暖差を防ぐという意味で有効な場合もあります。