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連載:みんなの未來(lái)マップ
2025.8.27
岸さんのロングインタビューはこちら
異常気象が日常になる時(shí)代に。未來(lái)のため、今身につけるべき「流域思考」とは
詳細(xì)を見(jiàn)る300年後の未來(lái)を本気で考えている人に、あなたは出會(huì)ったことがありますか?
東京都と神奈川県を流れる鶴見(jiàn)川の流域治水の取り組みや、神奈川県三浦市の小網(wǎng)代の森の保全活動(dòng)に長(zhǎng)く攜わり、「流域思考」という言葉を何十年も唱え続けてきた進(jìn)化生態(tài)學(xué)者?岸由二さん。その目は、誰(shuí)よりも遠(yuǎn)くを、そして誰(shuí)よりも「足元の地形」を見(jiàn)つめていました。
「都市の未來(lái)は、流域という大地のかたちに従って再設(shè)計(jì)されなければならない」。
岸さんはそう語(yǔ)ります。気候変動(dòng)が深刻化する時(shí)代に、なぜ今「母地図」という概念が必要なのか? そして、子どもたちに託す"地形と言語(yǔ)を超えた地図"とは何か——。
私が取り組んできたのは、技術(shù)的な分野でいえば、流域という考え方で都市をつくること。流域思考でいかにして日本列島にまともな都市をつくり直すかは、私の活動(dòng)の柱の中の柱です。
もう一つは、流域思考で未來(lái)の地球を生きる次世代を育てることです。両方とも鶴見(jiàn)川流域で取り組んでいますが、特に後者についてはまだまだですね。実踐はしているのですが、整理された體系にはなっておらず、難しいです。
具體的には、どのようなことをしているのですか。
鶴見(jiàn)川の流域地図をつくっています。流域は行政を跨ぐので、流域地図は誰(shuí)もつくってくれないんですね。なので、私が代表理事を務(wù)めるNPO法人鶴見(jiàn)川流域ネットワーキングで子どもが見(jiàn)ても楽しい流域地図をつくり、それを手に流域のあちこちをスタンプラリーしながら巡ってもらっています。
子ども向けの取り組みなのですね。
これには、思春期前期の10?13歳くらいの子どもたちが、楽しみながら、まとまった地形を遊び回る方向に誘導(dǎo)したいという意図があります。私が子どもの頃、毎日のように鶴見(jiàn)川流域を走り回って遊んでいたように、流域思考で生きるためには10?13歳頃に流域にのめり込むことが必要なんです。つまり、流域という地形に內(nèi)在的な価値をつける。10?13歳頃といえば、思春期映畫(huà)の名作『スタンド?バイ?ミー』の主人公たちと同じくらいの年齢です。その頃に面白いと感じながら流域を巡ることで、人は流域地図を母語(yǔ)のように「母地図」にするっていうのが、私の進(jìn)化生態(tài)學(xué)的な仮説です。
上空から撮影した、橫浜市鶴見(jiàn)區(qū)森永橋付近の鶴見(jiàn)川の様子
「母地図」という言葉を初めて聞きました。
例えば言語(yǔ)も、母語(yǔ)と後から學(xué)んだ言語(yǔ)は違います。母語(yǔ)は、育つ過(guò)程で無(wú)意識(shí)に身につけ、生活に深く根差した言語(yǔ)のことです。それに対して、後から學(xué)ぶ言語(yǔ)は道具なんですね。地図にもそれがあって、多くの人がインターネットで見(jiàn)る地図は道具としての地図。一方で、私が誰(shuí)とどこに暮らしているのかということに関する一番深い感覚的な地図が母地図なんです。
つまりスタンプラリーで流域を巡るうちに、母地図形成のために必要な感覚を、體感的に取得できるということでしょうか。
そうではないかという確信を持っているので、あまり議論を整理せずに、スタンプラリーで流域地図の母地図化の実験をしているんです。今すぐに結(jié)果が出るものではないことは分かっています。でもこれを地道に続けていけば、いずれは流域という大地の広がりに、思春期前期の感動(dòng)的なエピソードを刻み、その地形感覚に対応する母地図、大地への倫理のようなものを身につける次世代が現(xiàn)れるのではないかな、と。
計(jì)算したんですけど、私の人生で2人くらい影響力のある次世代が育てられれば、同じ率で流域を母地図にする次世代が育つとして、300年後には10世代で1,024人。今、鶴見(jiàn)川流域には約200萬(wàn)人が暮らしているといわれていて、10人くらいのNPOの中心メンバーで調(diào)整、活動(dòng)できています。なので、300年後の日本列島は、流域思考の流域に埋め盡くされる計(jì)算になります。
なんと、300年後を見(jiàn)據(jù)えて取り組んでいると。
うまくいっても300年後なので、あまり焦らないことにしていますが(笑)。それとは別に確かなことは、「小網(wǎng)代の森」はこのままいけば300年以上殘り続けるということです。「小網(wǎng)代はきれいでしょう。いろいろな花が咲いてすてきでしょう。これが流域思考を使って都市計(jì)畫(huà)を?qū)g行し、まちを豊かにしながら自然を守るということです」と言える実例をつくることができたかもしれない。
鶴見(jiàn)川は、急激な都市化ですでに破壊されてしまったまちを再生し、どうにかして生きのびられるまちをつくろうという取り組みなので、もう少し時(shí)間がかかるでしょう。だからネットワークをつくって子どもたちと遊んだり行政を巻き込んだりして、治水を中心とした都市計(jì)畫(huà)をやってきました。
つまり私は、流域思考の大切さを伝えるために、小網(wǎng)代と鶴見(jiàn)川で、二つの"石像"を彫っているのだと思います。
なるほど。"石像"は何百年でも殘る。彫るという行為には、祈りも込められていると感じます。
流域地形や流域生態(tài)系があって、そこに人間の生活圏もある。だから人間が流域生態(tài)系の必然を無(wú)視して生活を続ければ、被害を受けるのは當(dāng)たり前です。さあどうするかというのが、溫暖化豪雨時(shí)代の最大の課題になる。私からしたら、流域の自然を大切にして、都市計(jì)畫(huà)も何もかも自然の合理性に合ったようにやればいいっていうだけなんですが、みんな、そこがなかなか分からない。
例えば日蓮や親鸞も、伝えるのを諦めるわけにはいかないけれども、簡(jiǎn)単には理解されないと思ったから、南無(wú)妙法蓮華経と言ったり、南無(wú)阿彌陀仏と言ったりして、これを唱えればいいと話したんじゃないでしょうか。いずれその言葉の奧にある、本當(dāng)に伝えたかった深いところまで理解してくれる人が現(xiàn)れることに賭けた。恐れ多いですが、私も同じようなことを期待しているのかもしれない、と思うことがあります。だから、これからも地域の運(yùn)動(dòng)を続けながら、「流域思考」という言葉を、お念仏やお題目のように唱え続けるのかなと思っています。
1947年生まれ。橫浜市立大學(xué)文理學(xué)部生物學(xué)科卒業(yè)。東京都立大學(xué)理學(xué)部博士課程修了。進(jìn)化生態(tài)學(xué)者。慶應(yīng)義塾大學(xué)名譽(yù)教授。流域アプローチによる都市再生に注力し、鶴見(jiàn)川流域、多摩三浦丘陵で実踐活動(dòng)を推進(jìn)。NPO法人鶴見(jiàn)川流域ネットワーキング、NPO法人小網(wǎng)代野外活動(dòng)調(diào)整會(huì)議、NPO法人鶴見(jiàn)川源流ネットワークで代表理事を務(wù)めている。著書(shū)に『自然へのまなざし』(紀(jì)伊國(guó)屋書(shū)店)、『「流域地図」の作り方』(ちくまプリマー新書(shū))、『生きのびるための流域思考』(ちくまプリマー新書(shū))、『利己的遺伝子の小革命』(八坂書(shū)房)などがある。
大和ハウスグループも「生きる歓びを、分かち合える世界」の実現(xiàn)に向け、様々な取り組みを進(jìn)めていきます。
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