すべての人工物は自然から來(lái)ている

日本人の過(guò)半數(shù)が住む都市部。そこでの生活は自然から切り離されたように感じます。しかし、少し身の回りを見渡してみると住んでいる家、著ている服、さっき食べた晝食…。どれもきっと木、コットン、野菜など自然由來(lái)のものではないでしょうか。

都會(huì)はよく「コンクリートジャングル」と揶揄されますが、そのコンクリートですら原材料の砂利やセメントは本來(lái)自然界に屬するものです。どんなに「人工的」に感じるものでも、元をたどれば自然由來(lái)なのです。

しかし、自然から切り離されたという錯(cuò)覚は日々の生活における自然の重要性を軽んじることにつながり、持続可能性が疑われるまでに自然資本を枯渇させてしまいました。ではこれらの自然資本を守るためにはどうしたらいいのか。そこでビジネスの観點(diǎn)で誕生したのがTNFDです。

TNFDとは何か。そしてなぜTNFDが必要か

では、TNFDとは何でしょうか。

TNFDはTaskforce on Nature-related Financial Disclosuresの頭文字を取ったもので、日本語(yǔ)では「自然関連財(cái)務(wù)情報(bào)開示タスクフォース」と呼ばれます。なぜ自然関連の財(cái)務(wù)情報(bào)開示が自然を守ることにつながるのか、ピンと來(lái)ない方も多いのではないでしょうか。

文頭で例に出した家、服などを作っているのは企業(yè)で、一般的に、企業(yè)は投資家からのお金で操業(yè)しています。その投資家にとって、投資先の企業(yè)が安定して操業(yè)できるよう、社會(huì)が安定していて持続可能であることは重要です。特にユニバーサルオーナーと呼ばれる市場(chǎng)全體に投資しているような巨大な投資機(jī)関にとっては、市場(chǎng)の混亂は大きな損失を招くため、市場(chǎng)が長(zhǎng)期間にわたり安定していることは非常に重要なのです。

ゆえに、大きな市場(chǎng)混亂を引き起こしかねない自然資本の減少を本気で懸念する投資家が増えてきました。そこで自然関連の情報(bào)について投資家と企業(yè)とのコミュニケーションを円滑にし、より自然に配慮した事業(yè)にお金が回るよう自然関連の財(cái)務(wù)情報(bào)開示のフレームワークが誕生しました。

「財(cái)務(wù)情報(bào)」という言葉が入っていることから「どうしたらTNFD開示の中で自然を金銭的価値で表せるか」という質(zhì)問(wèn)を受けることがあります。しかし、自然関連の情報(bào)すべてが通貨単位で表される必要はありません。企業(yè)の財(cái)務(wù)諸表を見ると、そこには注記があり、會(huì)計(jì)方針や簿外情報(bào)など財(cái)務(wù)諸表を理解する上で必要な情報(bào)が多くあります。TNFD開示の初期段階において自然関連財(cái)務(wù)情報(bào)というのはこれら注記と同様に、企業(yè)の財(cái)務(wù)狀況をより正確に理解するために、企業(yè)が自然にどのように依存していて、どのような影響を自然に與えているのかという情報(bào)の重要性が増してきたと理解するといいでしょう。

企業(yè)はこれらの自然関連の依存、影響、情報(bào)を正確に把握するとともに情報(bào)を開示する責(zé)任があり、同時(shí)に持続可能性を望む投資家もこれらの情報(bào)開示を要求してくるわけです。

TNFDの"開示"を目的としてはいけないわけ

実は、日本はTNFD開示をすると宣言した企業(yè)數(shù)が世界で一番多く、「どうしたらよいTNFＤ開示ができるのか」という議論が活発です。

しかし、ここで一つ気を付けなくてはいけないことがあります。一般的な財(cái)務(wù)情報(bào)開示の歴史を少し振り返ってみると、財(cái)務(wù)情報(bào)をよく見せて投資家を呼びこもうとする努力は不正會(huì)計(jì)、粉飾決算などにつながり株式市場(chǎng)の混亂を引き起こしてきました。ここからの教訓(xùn)は「よい開示」をするためには「開示を頑張る」のではなく「事業(yè)を改善する」べきということです。これはTNFD開示でも當(dāng)然同じです?！搁_示を頑張る」ことはTNFD本來(lái)の意図に反して市場(chǎng)の混亂を招きかねません。

ではどのような取り組みを行っていくべきなのでしょうか。先述したように企業(yè)の自然への依存、影響をつまびらかにすることが自然資本を守るためには重要です。文頭で例に挙げた家を作る企業(yè)、ハウスメーカーを例に考えてみましょう。

ハウスメーカーにとっては、木材の生産、伐採(cǎi)が自然へ大きく依存、影響する項(xiàng)目の一つです。しかし、ハウスメーカーが自ら木材を生産、伐採(cǎi)している例は稀で、木が切られてから消費(fèi)者の手にわたるまでに複雑な流通経路があるのが一般的です。自然への依存と影響を把握するためには、その複雑な流通経路を自然との接點(diǎn)まで遡る（「トレーサビリティを確保する」といわれます）必要があります。

一方、事業(yè)の特性や扱っている原料や資材にもよりますが、生産地からの流通の仕組みは複雑でトレーサビリティの確保は一朝一夕でできるものではありません。特に日本は流通経路にいくつもの業(yè)者が連なっており、どのような自然の狀態(tài)の場(chǎng)所から原材料が調(diào)達(dá)されてきたのかを把握するのは困難を極めます。

トレーサビリティの確保が難しい中でも、大和ハウス工業(yè)が目指す森林破壊ゼロ方針、特にサプライヤーとともに森林破壊ゼロを目指すために立ち上げた"Challenge ZERO Deforestation"は優(yōu)れた事例です。森林破壊ゼロを掲げる方針は近年多くの企業(yè)が設(shè)定してきましたが、同社は自社だけでなく二次以降のサプライヤーにも森林破壊ゼロ方針を掲げてもらうことを目標(biāo)としています。これは、サプライヤーに対して大和ハウス工業(yè)に納品する資材だけでなく、他社に販売するものも含めて森林破壊に関與しないようにしましょう、というメッセージです。このような目標(biāo)は、同社グループが目指す森林破壊ゼロの考えに賛同する企業(yè)を増やし、業(yè)界全體に森林破壊ゼロ目標(biāo)の輪を広げていくことにつなげる試みであり、日本では例を見ない積極的な事例といえるでしょう。同時(shí)に同社ではこの2030年までの目標(biāo)の進(jìn)捗狀況も合わせて開示しています。

企業(yè)の自然依存と影響を問(wèn)い直す時(shí)代に來(lái)ている

TNFDは自社の自然への依存、影響を分析した上で、4つの柱と呼ばれる、「ガバナンス」「戦略」「リスクとインパクトの管理」から「測(cè)定指標(biāo)とターゲット」のフレームワークを使って、自社の自然との関わりを再評(píng)価する機(jī)會(huì)を與えてくれます。その検討過(guò)程を市場(chǎng)に開示していくことで企業(yè)と投資家との自然関連のコミュニケーションを促し、より自然の保全に効率的な資本分配を促していくのです。また、自社の自然への依存と影響が明らかにされた上での取り組みは大和ハウス工業(yè)の森林破壊ゼロ方針のような自然資本を守るための取り組みにもつながるはずです。

今後より多くの企業(yè)が、自社と自然との関わりを真剣に考え、その考えを市場(chǎng)と共有することで自然資本を守るための取り組みが活発化し、持続可能な社會(huì)が実現(xiàn)されていくことを期待しています。