コラム No.28-8CREコラム
今さら聞けない「不動(dòng)産証券化」(8)不動(dòng)産証券化の歴史(2)
公開(kāi)日:2017/08/25
証券化の黒歴史、サブプライムローン問(wèn)題
証券化は企業(yè)の資金調(diào)達(dá)手段を多様化させる原動(dòng)力になりました。米國(guó)では住宅ローンの証券化によって、収入の低い人でもマイホームを?qū)g現(xiàn)するエンジンになりました。しかし、証券化を?yàn)E用した結(jié)果、今世紀(jì)最大の金融恐慌「リーマン?ショック」を起こすもとになりました。それがサブプライムローン問(wèn)題です。その背景を見(jiàn)てみましょう。
ITバブル崩壊と同時(shí)多発テロ
サブプライムとは、収入の低い階層を指します。サブプライムローンは低所得者向けに開(kāi)発された住宅ローン。2001年以降に米國(guó)で利用者が急増しました。2001年はインターネット関連企業(yè)の株価が軒並み下落してITバブルが去り、一方で9月11日に同時(shí)多発テロが起きるなど米國(guó)が混亂に陥った年で、経済は一気に低迷期に入りました。そこでジョージ?ブッシュ政権は経済の立て直しのため金融緩和策を?qū)g施。金利を引き下げて企業(yè)の設(shè)備投資意欲を高め、個(gè)人消費(fèi)を活性化させようとしました。
一方、ブッシュ政権はマイノリティや低所得者対策として住宅取得を奨勵(lì)。収入の低い人でも住宅が取得できるサブプライムローンが注目されることになります。こうしたローンは、當(dāng)初3~5年間は金利だけの返済だったり、より低い金利での返済だったりすることもあり、將來(lái)の焦げ付きが不安視されました。しかし、我が國(guó)のバブル景気と同様、このころのアメリカは地価が上昇し続けて住宅価格が高騰。住居の擔(dān)保価値が上がり、住宅バブルが巻き起こったのです。
証券化という「ツール」が危機(jī)に火を付けた
このころの金融界はITの進(jìn)展と相まって、市場(chǎng)における資金運(yùn)用を統(tǒng)計(jì)學(xué)や経済學(xué)、數(shù)學(xué)などを使って分析管理する金融工學(xué)が勢(shì)いをつけ、一連のデリバティブ(金融派生)商品を生み出しました。この金融工學(xué)と証券化が出會(huì)い、複雑な証券化商品が生み出されることになります。
米國(guó)の住宅ローンは銀行が貸し出しますが、長(zhǎng)期の貸付債権を銀行が保有するリスクを回避するために、米國(guó)では國(guó)が設(shè)立した住宅抵當(dāng)公庫(kù)が銀行の住宅ローン債権を買い取ります。公庫(kù)は買い取った債権を証券化して証券化市場(chǎng)に売り出します。
投資銀行(我が國(guó)では証券會(huì)社に該當(dāng)します)はこの証券化商品を買い取り、これを擔(dān)保にした「住宅ローン債券」(MBS)や他の社債などと組み合わせて「?jìng)鶆?wù)擔(dān)保証券」(CDO)を作って販売しました。さらに、こうしたサブプライムローンを土臺(tái)にした証券化商品の元本を保証する「CDS(クレジット?デフォルト?スワップ)」が登場(chǎng)しました。このCDSこそがリーマン?ショックを生む元兇になります。
サブプライムローン及び関連商品の仕組み

CDSは、証券化商品の擔(dān)保になっている債権の元本や利息などを保証するデリバティブ契約です。返済が滯って債権が、萬(wàn)が一紙くずになっても、この契約があればその元本を保証してくれます。その代わり、保険料を払う必要があります。MBSやCDOなどの証券化商品を保有している投資ファンドなどの機(jī)関投資家は、こぞってCDS契約を交わしました。
一方、住宅ローン債券や債務(wù)擔(dān)保証券に対して格付け機(jī)関が格付けを?qū)g行し、投資銀行の販売戦略に力を貸しました。こうした証券化商品はCDSという「安全裝置」が付き、なおかつ世界的な格付け機(jī)関が「お墨付き」を與えたため、信用度が増しました。
住宅バブル崩壊でリーマン?ショックへ
サブプライムローンを起點(diǎn)にした証券化商品は、住宅価格の上昇、地価の安定さらに上昇という前提があって初めて存在できる金融商品です。ところが2004年、米國(guó)景気に陰りが出始めます。この年に米國(guó)は金利引き上げを?qū)g施。緩和から引き締めへと金融政策を転換しました。住宅ローン金利は上昇、返済困難に陥った利用者は住居を手放し、サブプライムローンは大量に焦げ付き始めました。
証券化商品の源流になっていたサブプライムローンが破たんをきたすと、関連商品にも影響が出ます。2007年に準(zhǔn)大手の投資銀行?ベア?スターンズは傘下のヘッジファンドが運(yùn)用に失敗して経営が急速に悪化。そして2008年9月、全米投資銀行第4位のリーマン?ショックブラザーズが経営破たんしました。CDSを開(kāi)発した大手保険會(huì)社も巨額のリスクを背負(fù)うことになり、世界最大の保険會(huì)社AIGも巨額の損失を出して経営危機(jī)に陥りました。
サブプライムローン問(wèn)題は、証券化という金融ツールが錬金術(shù)の道具のように使われたことで生じた側(cè)面があります。サブプライムローンを擔(dān)保にした住宅ローン債券くらいで留まっていれば良かったのですが、人間の「強(qiáng)欲」は、この便利な金融手法を駆使して底なし沼の地獄に墮ちました。
サブプライムローンは、借り手の所得水準(zhǔn)によって金利が異なるので、より高い金利が付いたサブプライムローンを組み込んだ証券化商品は、ハイリターンを生み出します。こうしたハイリスク?ハイリターン商品は、格付け會(huì)社のお墨付きを得て市場(chǎng)からの高い評(píng)価を追い風(fēng)にし、またCDSという契約を取り込んで、より一層ハイリスクの様相を呈しました。ある一人の利用者が借りたサブプライムローンは、他の債権やローンなどとごちゃ混ぜになり、複雑怪奇な金融商品として、最終的には不特定多數(shù)の投資家のひとりの資産の一部として、チリのごとく小さい存在になっていったのです。こうした生々流転が住宅バブル崩壊に直面し、あっという間に本當(dāng)のチリになってしまいました。
証券化が強(qiáng)欲を満たす兇器になった
証券化というツールは、証券化と無(wú)縁の世界の數(shù)多くの人々を不況に追い込む兇器にもなってしまいました。証券化は強(qiáng)欲を満たす魔法の運(yùn)用手段ではありません。サブプライムローン問(wèn)題では、名門(mén)、老舗と呼ばれた投資銀行や保険會(huì)社、格付け機(jī)関といった著名プレーヤーが數(shù)多く関與しました。証券化は多くのプレーヤーが利害関係者になり、複雑な仕組みを構(gòu)成します。それだけに、重層的な証券化商品になると、どこにリスクがあって、どう対処すればいいのか見(jiàn)えにくくなります。サブプライムローン問(wèn)題が引き起こしたリーマン?ショックという黒の歴史は、まだ10年と経っていません。
今さら聞けない「不動(dòng)産証券化」
- (1) 証券化は、こうして始まった
- (2) ABSは証券化の代表選手
- (3) 不動(dòng)産証券化のメリットとデメリット
- (4) Jリートとはなにか?
- (5) 広がる証券化ビジネス
- (6) なぜ不動(dòng)産証券化が登場(chǎng)したのか
- (7) 不動(dòng)産証券化の歴史(1)
- (8) 不動(dòng)産証券化の歴史(2)
- (9) 不動(dòng)産証券化の歴史(3)
- (10)資金調(diào)達(dá)、運(yùn)用、そして新しいビジネス
- (11)3つのタイプの不動(dòng)産証券化
- (12)不動(dòng)産証券化には、どのようなプレーヤーが存在するか
- (13)不動(dòng)産証券化における資金調(diào)達(dá)
- (14)倒産隔離と真正売買
- (15)二重課稅の回避
- (16)信用補(bǔ)完について
- (17)ノンリコースローンについて
- (18)デュー?デリジェンス
- (19)格付けについて
- (20)利益相反について
- (21)出口戦略について
- (22)セール?アンド?リースバックについて
- (23)不動(dòng)産鑑定評(píng)価について
- (24)不動(dòng)産証券化に「信託」が利用される理由









