コラム No.28-5CREコラム
今さら聞けない「不動(dòng)産証券化」(5)広がる証券化ビジネス
公開日:2016/12/22
POINT!
- ?証券化の対象は、知的財(cái)産権など資産価値のあるものへと拡大
- ?もはや不動(dòng)産証券化は、ビジネスそのものに変貌している
拡大する証券化
証券化は、物理的に切り売りできない資産を小口化して資金を調(diào)達(dá)?運(yùn)用するツールです。都心の一等地は不動(dòng)産価値が高く、これを有効活用して資金調(diào)達(dá)したいと考える企業(yè)があるとします。しかし、1棟のビルは切り分けられないので有価証券の形に変えて細(xì)かく分けます。細(xì)分化すれば販売単価は下がって多くの人に買ってもらうことができ、スムーズな資金調(diào)達(dá)が可能になります。
不動(dòng)産証券化が資金の調(diào)達(dá)?運(yùn)用の両面で優(yōu)れた手法であることが理解されてきた現(xiàn)在、証券化の対象は「切り分けられないが、資産価値のあるもの」に拡大しています。事業(yè)そのものや知的財(cái)産権などが証券化の対象資産になっています。
事業(yè)の証券化について見てみましょう。10年前、大手IT企業(yè)ソフトバンクは攜帯電話事業(yè)の拡大を狙いに、英國の大手通信會(huì)社を買収しました。このとき、攜帯電話事業(yè)を証券化して約1.5兆円を調(diào)達(dá)、買収資金を借りていたローンの返済に充てました。攜帯電話事業(yè)で得られる將來の収益は、それほど巨額なもので資産価値があると証券化市場から判斷されたのです。
事業(yè)証券化の対象は、全業(yè)種といっていいかもしれません。例えばホテル?旅館業(yè)など、日々の売り上げが見込める事業(yè)は、証券化の仕組みとしてイメージしやすい業(yè)種ではないでしょうか。宿泊施設(shè)の収益は宿泊料がメイン。テナントビルの家賃収入と同じです。ホテル?旅館の建設(shè)資金や運(yùn)転資金を調(diào)達(dá)するため有価証券を発行し、資金を確保します。営業(yè)開始後は稼働狀況によって収益の多寡は変化しますが、収益の大部分は投資家に配當(dāng)の形で還元されます。
メガソーラーの証券化
再生可能エネルギーとして注目を浴びている太陽光発電事業(yè)。このソーラー事業(yè)も証券化の対象事業(yè)の一つになっています。再生可能エネルギーには、國が定めた固定価格買い取り制度があります。メガソーラーの場合、電力會(huì)社が発電事業(yè)者から電力を20年間にわたって一定の金額で買い取ります。ところが発電事業(yè)は多額の設(shè)備投資を必要とするため、參入する事業(yè)者にとって設(shè)備投資のための資金調(diào)達(dá)がネックになりました。そこで、メガソーラーの証券化が登場します。
岡山県瀬戸內(nèi)市が計(jì)畫を進(jìn)めているメガソーラープロジェクト「瀬戸內(nèi)Kirei太陽光発電所建設(shè)プロジェクト」は、かつては塩田だった土地を太陽光発電事業(yè)の基地に変えて地域活性化を図る大規(guī)模事業(yè)です。2019年の運(yùn)転開始を予定していますが、市の財(cái)政リスクを回避するため証券化を採用、日本で初めてのメガソーラー証券化として話題になりました。
映畫やアニメも対象に
知的財(cái)産権の証券化も増加しています。中でも、著作権は巨額の製作費(fèi)が必要にもかかわらず資金不足が続いている映畫やゲームソフト、アニメの製作費(fèi)の資金調(diào)達(dá)に証券化の仕組みが使われるケースが出てきています。映畫製作費(fèi)を調(diào)達(dá)するため映畫やゲームの腳本や原作を著作権として証券化し、興行収入やDVD、テレビ放映権、キャラクターグッズの売り上げによって投資家に配當(dāng)を支払います。
音楽の分野でも、証券化が行われています。先ごろ亡くなったロック歌手のデビット?ボウイ氏が発行した「ボウイ債」は、1997年に自らの楽曲にかかる著作権から生じる利益などを擔(dān)保としたABS(資産擔(dān)保証券)です。これを機(jī)に、アーティストの資金調(diào)達(dá)方法が多様化したともいわれています。演奏會(huì)や演劇などの蕓術(shù)文化活動(dòng)は、商業(yè)主義的な色彩のものを除いて、必ずしも興行的に成功する保証はありません。儲(chǔ)かるから演奏する、演じるというものではないからです。
しかし、蕓術(shù)活動(dòng)にも資金は必要です。銀行が蕓術(shù)文化活動(dòng)に対して理解を示し融資を?qū)g行することは、あまり考えられません。そこで、會(huì)場の使用料や広告宣伝費(fèi)用などを確保するため、演奏家や俳優(yōu)を支持するファン層やスポンサー企業(yè)などが投資することを期待し、コンサートなどエンターテイメント事業(yè)を証券化して資金調(diào)達(dá)する機(jī)會(huì)が今後増えていく可能性があるのではないでしょうか。

ビジネスとして目的化している
我が國の証券化は、金融システムの安定化を図るため、自己資本比率を高める狙いで始まった銀行の資産減らし策(債権流動(dòng)化)が発端でした。その後、不良債権処理で不動(dòng)産売買市場が冷え込み、不動(dòng)産の流動(dòng)化が始まりました。証券化?流動(dòng)化は、金融業(yè)界が主役だったのです。
金融市場が再び回復(fù)し始めると、不動(dòng)産証券化は、それ自體が獨(dú)自の資金調(diào)達(dá)?運(yùn)用ツールとして普及し始め、証券化を行って利益を出す動(dòng)きが広がっていきます。保有する不動(dòng)産の有効利用として始まった不動(dòng)産証券化は、ビジネスとして自己目的化されているのです。
不動(dòng)産証券化のために関係者が集まり、土地を取得して有価証券化し、投資家に販売して配當(dāng)を支払いながら、自らも利益を確保しています。J-REITのほとんどは、銀行借り入れや投資ファンドから資金を引っ張ってきて新たに不動(dòng)産物件を購入、ビルや商業(yè)施設(shè)を建設(shè)して証券化します。銀行は、不動(dòng)産物件からの將來収益を返済金と見なしているのです。
こうなると、不動(dòng)産証券化は、既存の保有不動(dòng)産を有効活用して効率的な資金調(diào)達(dá)をする、という當(dāng)初の姿から、証券化という金融手法を使って利益を上げるビジネスそのものに変貌しているといえるでしょう。
今さら聞けない「不動(dòng)産証券化」
- (1) 証券化は、こうして始まった
- (2) ABSは証券化の代表選手
- (3) 不動(dòng)産証券化のメリットとデメリット
- (4) Jリートとはなにか?
- (5) 広がる証券化ビジネス
- (6) なぜ不動(dòng)産証券化が登場したのか
- (7) 不動(dòng)産証券化の歴史(1)
- (8) 不動(dòng)産証券化の歴史(2)
- (9) 不動(dòng)産証券化の歴史(3)
- (10)資金調(diào)達(dá)、運(yùn)用、そして新しいビジネス
- (11)3つのタイプの不動(dòng)産証券化
- (12)不動(dòng)産証券化には、どのようなプレーヤーが存在するか
- (13)不動(dòng)産証券化における資金調(diào)達(dá)
- (14)倒産隔離と真正売買
- (15)二重課稅の回避
- (16)信用補(bǔ)完について
- (17)ノンリコースローンについて
- (18)デュー?デリジェンス
- (19)格付けについて
- (20)利益相反について
- (21)出口戦略について
- (22)セール?アンド?リースバックについて
- (23)不動(dòng)産鑑定評価について
- (24)不動(dòng)産証券化に「信託」が利用される理由









