
CREコラム
不動産テック入門(2)「VR」「AR」
公開日:2019/09/30
不動産の物件選択は、実際に現(xiàn)地で確認することが基本。しかしITの進展により、居ながらにして部屋の間取りなどが體感できるようになりました。それを支える技術が「VR」「AR」です。
「內(nèi)見」で導入相次ぐVR
「VR」は仮想現(xiàn)実(Virtual Reality)、「AR」は拡張現(xiàn)実(Augmented Reality)の略です。不動産テック協(xié)會における「VR?AR」のカテゴリー定義は、「VR?AR機器を活用したサービス、VR?AR化するためのデータ加工に関連したサービス」ですが、実際にどんな場合にどのようにして不動産業(yè)務に関わっているのでしょうか。
代表的なものが「VR內(nèi)見」と呼ばれるものです。內(nèi)見(ないけん)とは、不動産物件がある場所に出向いて見學?調(diào)査すること。マンションや戸建てなどの住居を購入したり借りたりするときに行います。內(nèi)部を見學することから內(nèi)見といいます。「內(nèi)覧」(ないらん)も良く使われますが、これは基本的に新築物件を見學するときに使われることが多く、物件は非公開のものです。一般的に、內(nèi)見は中古の賃貸物件で使われることが多いようです。
VRを?qū)g現(xiàn)する機器は、ゴーグルの形をした専用のヘッドセット。映像畫面を見るモニター(ヘッドマウントディスプレイ)が內(nèi)蔵されており、ゴーグルを裝著する要領で両目に當てて見ます。こうした機器は當初ゲームなどの鑑賞が多く、エンターテイメントの要素が強かったのですが、ここに來て業(yè)務用に活用され始め、不動産テックの中でも注目を集めるようになりました。
內(nèi)見は現(xiàn)地に足を運ぶのが基本ですから、不動産(仲介)業(yè)者は部屋を借りたい顧客を現(xiàn)地に案內(nèi)しなければいけません。顧客も部屋の間取りや周辺の住環(huán)境に觸れたい気持ちがあります。ところが、土日の休日に顧客は増えますが業(yè)者のほうは手が足りず、顧客は仕事の合間を縫って時間を作らなければならないので、內(nèi)見できる日にちは限られます。こうしたミスマッチを解消するには、現(xiàn)地に行ったのと同等の情報を視覚的に提供することが求められます。
そこで登場したのが、VR機器を使った內(nèi)見、すなわちVR內(nèi)見です。その場に行かなくても実際に行ったような臨場感を體験できるので、不動産仲介業(yè)などで導入が急増しているといわれています。內(nèi)見は顧客との同行や物件管理など多くのコストが生じます。VR內(nèi)見によって、顧客対応を含めた管理コストが軽減できるだけでなく、成約率も向上しています。不動産賃貸物件の対象者の多くが若年世代で、VRに対する拒否反応が小さいことも、増加傾向の背景にあるでしょう。
導入コストは比較的低い
內(nèi)見に使用するVR映像を提供する業(yè)者の多くは、新興のIT企業(yè)です。會社の規(guī)模は比較的小さく、ベンチャー企業(yè)が大半ですが、互いに先進技術を追究してVR內(nèi)見の市場で競っています。導入コストは、専用のWebサイトを持っている企業(yè)ならば、VRで視聴するためのコンテンツを撮影する経費や機器購入費、Webサイト更新費用など。自前で撮影することができれば低予算で済みます。専門の業(yè)者に依頼する場合は、機器のレンタルを含めての定額払い契約もあります。360度回転させる映像方法や、部屋の間取りを的確に見せるカメラアングルなどは、腕に覚えのない素人にとって簡単ではありません。経費はかかっても専門業(yè)者に依頼するほうが良質(zhì)な映像ができます。利用者の反応も良くなるので、結果的には業(yè)務委託して導入するほうがプラスかもしれません。顧客はこうしたコンテンツをパソコンやスマートフォンなどで簡単に対象物件を數(shù)多く、無料で好きなだけ見ることができます。
ただし、映像で物件情報を提供するには限界もあります。実際に目で見て部屋の雰囲気を感じ取るほうが、得られる情報は正確です。また、リアルな立體映像を近視眼的に見るので、車酔いのような気分に遭う人や、ゴーグルをかぶることで化粧が崩れるのを嫌がる人もいるようです。
VR內(nèi)見で業(yè)務のすべてが終わるのではなく、內(nèi)見の業(yè)務を一部軽減し、顧客に対して迅速な映像情報を與えることで現(xiàn)行の內(nèi)見業(yè)務を補完する、という位置づけで捉えるのがベターかもしれません。
ARは現(xiàn)実に仮想をはめ込むこと
一方、ARは実在する風景に仮想の情報を重ね合わせる技術です。例えば、自分の部屋に2人用ソファを置きたいが、間取りや部屋に置いた場合のスペースや色調(diào)などを確かめたい場合に用いられます。
スマートフォンなどで家具販売會社のサイトを開き、購入したい家具の畫像を選んで畫面に映している部屋の映像にドラッグ(移動)しで使います。大手家具メーカーでは、ARで家具を配置できるアプリを開発し、家具をオンラインで購入する際に利用されています。
米大手物流企業(yè)では、ハンドスキャナで紙の伝票を読み取り、仕分け?配送などのピッキング作業(yè)を行っていますが、AR機能を搭載したメガネ狀の「スマートグラス」を?qū)毪筏蓼筏俊熡盲蜛R用メガネを通して、倉庫內(nèi)の配送品に貼られているバーコード情報を読み取ると、その情報がAR畫像に提示されるシステムを?qū)毪筏皮い蓼埂=ㄔO現(xiàn)場でも、コンビナート內(nèi)の各種設備を巡回する際、AR機能を搭載した専用のヘルメットを裝著。配管を見れば、あらかじめその畫像に埋め込まれた情報が確認でき、安全管理業(yè)務がより効率化される、という事例もあります。
このように、VRやARは幅広い事業(yè)分野での用途が見込まれる最新技術です。とりわけVRは、ともすれば人手に頼るしか方法がなかった不動産の業(yè)務の中で革新的な技術になる可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。