コラム No.46-2トレンド
【イベントレポート】 2017 TRON Symposium 大和ハウスグループ?フレームワークスセッション「未來のロジスティクス」(2)
公開日:2018/01/31
2017年12月15日、東京ミッドタウンで開催された「TRONプロジェクトシンポジウム」において、坂村 健様(東洋大學(xué)情報(bào)連攜學(xué)部 學(xué)部長)をコーディネータとして、「未來のロジスティクス」と題した、大和ハウスグループ?フレームワークスセッションが行われました。その主な內(nèi)容をご紹介します。
講演(3)浦川 竜哉(大和ハウス工業(yè)株式會社 取締役常務(wù)執(zhí)行役員<建築事業(yè)擔(dān)當(dāng)>)
物流の中身にも取り組み、ドライバーの効率化、安全化、働き方改革を目指していく

最初に、どうして大和ハウス工業(yè)がこれほど物流開発に力を入れているのか、簡単にご説明したいと思います。
當(dāng)社は1955年に創(chuàng)業(yè)したのですが、創(chuàng)業(yè)の商品は、住宅ではなく物流倉庫でした。舊國鉄の各保線區(qū)に、スコップや一輪車などを収めるパイプの倉庫を作りました。これが創(chuàng)業(yè)のルーツ商品でした。後にこの技術(shù)を応用して、プレハブ住宅を作っていくことになります。この物流倉庫が大和ハウスのルーツであるということです。建築會社としてスタートしているのですが、物流會社の建設(shè)請負(fù)から物流のデベロッパー、そして今年からは物流の中身に、ダイワロジテックという會社によって取り組もうとしています。この領(lǐng)域でお客様のお手伝いをしていこうと考えているところでございます。

3つの変化によって物流が重視される
今、なぜ物流なのか。我々は大きく3つの変化があると思っています。1つは、日本のものづくりが大きく変わってきていること。そして、商流が変わってきています。2つめはECの発展です。先ほどもECの話などたくさん出ました。消費(fèi)形態(tài)が完全に変わってきています。そして3つめは、物流自身が変わってきていること。3PLの臺頭や製造業(yè)?小売業(yè)の物流のアウトソーシング化、それによって物流シェアが変わってきています。大きくこの3つの変化があると思います。
いくつか事例を紹介させていただきます。最初の事例は、パナソニックの工場跡地の事例です。大阪府茨木市松下町1?1、ここはパナソニックのブラウン管テレビ発祥の地です。昨今の激しい流れの中で、ブラウン管テレビは、プラズマ、液晶、有機(jī)EL、また次の第5世代に変わってきています。その中で地元茨木市の雇用と稅収をきっちり守りながら、次の産業(yè)へのバトンタッチが必要であるということで、現(xiàn)在の1つの成長産業(yè)であり物流のラストワンマイルを擔(dān)う、ヤマトホールディング様の関西ゲートウェイとして生まれ変わっています。産業(yè)構(gòu)造の転換により、物流の供給の地になったということです。
先ほどお話ししました3つめの物流自身の変化、物流が多機(jī)能化?複合化していっているのです。
次は、四國坂出のイオングローバルSCM様の物流センターの事例です。ここは、日立物流様が3PLとして一括で受託しています。今、製造業(yè)や小売りは、ほとんどこうした3PL企業(yè)に物流をアウトソーシングしています。自社で物流を持たない、配送の効率化をする。こういったかたちが盛んに推奨されています。これも物流自身の変化だと思います。
Dプロジェクト有明Ⅰは、ファーストリテイリング様と大和ハウスで共同開発した、私募リートにしている物流センターです。この最上階の1フロアは約5000坪あります。六本木ミッドタウンの東京本部から1,000名がこちらに移りました。5階は完全にオフィス機(jī)能となっています。物流センターは1フロアが非常に広いので、これを最大限利用しました。移動効率やコミュニケーション効率が非常に良いそうです。周辺の景観も良く、東京灣の河口を背景として東京タワー、スカイツリーなど一望に見渡せます。クリエイティブな発想を生むためにはこの環(huán)境が必要だという、トップのご判斷があったのではないかと推測しております。
働き方改革、物流の新しい効率化にも取り組む
流山の事例は、物流のドミナント戦略です。物流タウンとしてあらゆるシェアリングを図っていきます。
物流に関する費(fèi)用の中に保管費(fèi)用というものがあります。土地建物の開発の対価を賃料としていただくものです。その部分が物流全體の中の約20%と言われています。殘りの80%は、たとえば人件費(fèi)、輸配送費(fèi)、その他の設(shè)備の費(fèi)用です。この80%には我々はまだ何も手を付けておりません。私たちはこの80%にも取り組んでいきます。プレハブ倉庫から起業(yè)して、建設(shè)會社として施設(shè)建設(shè)を請負(fù)い、現(xiàn)在は物流の器づくりのデベロッパーといえます。それに加えて、物流の中身もダイワロジテックで行っていこうということです。
ダイワロジテックは、大和ハウス工業(yè)と、大和物流出資したホールディング會社で、フレームワークス、モノプラス、アッカ?インターナショナルなどで構(gòu)成され、提攜會社としてAI搬送ロボのグラウンド、求貨求車システムのハコブ、このようなグループで物流の中身に取り組み、お客様の事業(yè)のお手伝い、効率化を図っていきます。
また、流山には、事業(yè)保育所が入ります。運(yùn)営するママスクエアは大和リースが出資している會社で、この保育所にお子様を預(yù)け、母親はこの施設(shè)で働くことができます。今までの発想であれば、働くために家庭の主婦がお子さんを預(yù)ける、そして働きに行っていましたが、ここでは、まずお子様を預(yù)ける、その傍らで1時(shí)間から働いていただくことが可能です。子育て支援を重視した物流センターとして、女性の活躍をどんどん推奨していこうと思っています。
また、1つのトライアルとして、坂村先生と秋葉社長が一緒にやられているオープンデータコンテストがありました。こういったデータを使いながら、中継物流や館內(nèi)物流といった物流の新しい効率化にも取り組んでいきます。
特に中継物流には、今非常に力を入れております。今、関越道の坂戸と上里で展開中です。たとえば、東京-新潟のドライバーがそれぞれ往復(fù)すると、ドライバーは、その日は家には帰れません。そこを、東京のドライバーは坂戸、あるいは埼玉の上里まで持って行く。そこで新潟のドライバーとトラックをスイッチする。そうすると東京のドライバーは東京に帰れます。これは長時(shí)間労働の撲滅にも繋がりますし、事故率の低下にも繋がると考えられます。
こうしたドライバーの方の効率、安全化を目指しながら、働き方改革を目指し、ロジスティクスの効率化を求めていく。そのために重要なスマートインター直結(jié)の中継基地、こういったことにも力を入れてやっていこうと思っております。
世界のサプライチェーンもサポート
ものづくりが変わっていく中、流山は65%が耕作放棄地でした。農(nóng)業(yè)の後継者がいない中、日本の食糧自給率は38%に落ちています。これが増えるかというと、高級食品は増えるかもしれませんが、殘念ながら一般的な食糧自給率はやはり落ちていくでしょう。そこで何が必要になってくるのか。國交省も推奨している、ASEANでのコールドチェーンの充実です。たとえばベトナムのエビ。受け入れの日本側(cè)の品質(zhì)をいくら上げても、現(xiàn)地での保管品質(zhì)が悪ければ意味がありません。
アジアのコールドチェーンのお手伝いとして、ベトナム、インドネシアでの工業(yè)団地の開発のお手伝いをさせていただいています。弊社の土地の販売、もしくは賃貸をして、日本のフードメニューを守るためのコールドチェーンのお手伝いにも、今後は力を入れてやっていきたいと思っております。
それからタイの物流開発です。スワンナブーム空港の物流開発、レムチャバン近くでの物流開発、ここには日本のお客様にも入っていただいております。そういった意味で、國內(nèi)のみならず世界のサプライチェーンの物流のお手伝いをやっていきたいと思っております。
講演(4)佐々木太郎(株式會社Hacobu 代表取締役社長 CEO)
日本発の「シェアリング?ロジスティクス?プラットフォーム」を構(gòu)築する

ハコブという會社は。2015年6月30日に創(chuàng)業(yè)したまだ若い會社です。これまで、大和ハウス工業(yè)をはじめ日本郵政、ソニー、アスクルなど、各業(yè)界でのトッププレイヤーの方々から合計(jì)8億円弱の資金調(diào)達(dá)、さまざまなバックアップをしていただきながら、物流の世界を効率化するために設(shè)立した會社です。
私は、もともとはアクセンチュアという會社におりました。そこでITコンサルティング、特にグローバルなサプライチェーンのプロジェクトなど手掛けていました。その後いくつかのコンサルティング會社、アメリカでのコンサルティング會社にも就業(yè)しました。日本に帰ってきてから、個人的なコンサルティング?プロジェクトとして、ある乳業(yè)メーカーの卸子會社のタームプロジェクトをやらせていただきました。卸子會社のさらに下に物流子會社が10社ほどあって、そこで初めて、B to Bの物流をいろいろと見る機(jī)會をいただきました。そのとき、あらゆるものが紙、電話、ファックスで業(yè)務(wù)がされている、非常に非効率な領(lǐng)域であるのを目にし、創(chuàng)業(yè)を決意しました。
「運(yùn)ぶを最適化する」
この領(lǐng)域は13?14兆円という巨大なマーケットです。それがほとんどアナログで動いています。そこに対して、我々は「運(yùn)ぶを最適化する」というミッションを掲げています。
物流の世界を大きく分けると、倉庫の中の世界と運(yùn)ぶ世界です。倉庫から店舗、倉庫と倉庫の間、もしくは店舗から一般消費(fèi)者へと運(yùn)ぶ世界です。この業(yè)界ではこれを輸配送といいます。我々のターゲットも輸配送の世界です。
この領(lǐng)域がもはや構(gòu)造的に立ち行かない狀況になっているにもかわわらず、すべてアナログです。そこをデジタル化して効率化していく、輸配送の世界をテクノロジーで進(jìn)化させて、持続可能な社會をつくる。そのためのオープンプラットフォームを形成するというのが我々のミッションです。さらには、アジアの物流情報(bào)プラットフォームになることを目指しています。日本の物流情報(bào)、輸配送の情報(bào)をデジタル化して、さらにはそれをアジア各國に広げていく。タイ、インドネシア、マレーシアにも行きます。実は、そこでも日本と同じような、かなり成熟度の高い物流が行われていますが、もう少しでアナログからデジタルが必要になってくるところです。日本発の物流情報(bào)プラットフォームとしてアジアで展開していくことを考えています。
日本の物流情報(bào)を守り、個社最適から社會最適へ
そこの問題意識としてまず1つ、日本の物流情報(bào)を守るという課題があります。まず、インターネットの情報(bào)についてはgoogle、個人の情報(bào)はFacebook、購買情報(bào)についてはAmazonが多くの情報(bào)を持っています。我々は、物流情報(bào)は情報(bào)資産の最後の砦だと考えています。日本の情報(bào)資産の最後の砦である物流情報(bào)を守っていくということを、大きく課題意識として持っています。
現(xiàn)狀は、物流情報(bào)が紙、ファックス、電話で伝達(dá)されています。アナログで分散した狀態(tài)になっているのです。他の情報(bào)資産のように、ここに外資のプラットフォーマーが入ってきて、すべてを取っていくことは避けなければいけません。そこで我々はこのプラットフォームを構(gòu)築し、展開しております。
もう1つの問題意識は、個社最適から社會最適へということです。運(yùn)ぶという世界、倉庫內(nèi)の話も含めて物流全體には、各社?個社が競爭すべき競爭領(lǐng)域と協(xié)調(diào)すべき領(lǐng)域があると考えています。競爭すべき領(lǐng)域というのは、たとえば倉庫內(nèi)でのオペレーション、進(jìn)んだマテリアル?ハンドリングの機(jī)械を?qū)毪工搿MSを使っていく、そのシステムを基幹と連攜させていく、オペレーショナル?エクセレンスを高めて他社と差別化していく、といったことです。
そうした競爭領(lǐng)域に対して協(xié)調(diào)領(lǐng)域があります。運(yùn)ぶ世界でいうと、トラックを各社で囲っている場合ではありません。資産をそれぞれの會社でシェアして、融通し合っていく。そういった世の中が必要でしょう。
また、トラックバースの予約、待機(jī)時(shí)間の問題があります。最近、倉庫の周りでトラックが待っている、それによって荷待ちの時(shí)間が多く発生してしまっていると、新聞でも取り上げられていました。それを解決するために、倉庫に入る前に、運(yùn)送會社が入る時(shí)間を予約する仕組みが必要だろうと言われています。
そこで各社?各倉庫が自分の仕組みをつくってしまうと、荷物を送る側(cè)が、それぞれ別の仕組みに対応して予約をしていかなければいけません。仕組みを入れることによって、逆に社會コストが高まってしまいます。そのため、同じもの、同じプロトコルで予約申請ができるような仕組みが必要です。
「シェアリング?ロジスティクス?プラットフォーム」
協(xié)調(diào)すべき領(lǐng)域に関しては、各社が協(xié)力して、共通の仕組みを構(gòu)築して、共同利用して、社會全體のコストを下げていくことが必要だと考えています。そのために我々が提供しているサービスがMOVOで、「シェアリング?ロジスティクス?プラットフォーム」と銘打っています。
輸配送の世界にさまざまな課題があるわけですが、それぞれの課題を解決するための機(jī)能をクラウドプラットフォーム上にご用意しています。
たとえば、リアルタイムの運(yùn)行管理です。トラックが走っているときに、そのトラックがどこにいるのか、どんな動きをしているのか。我々のGPSのデバイスを付けることによって、それをリアルタイムに把握することが可能です。
それから、オンライン配送受発注です。これまで、たとえば大きな荷主さんがいるとすると、その下に元請けの會社があり、さらにその下に下請けの運(yùn)送會社がいます。この下請けの運(yùn)送會社に対して、これを運(yùn)んでほしいという情報(bào)が、すべてファックスやエクセル、電話で伝達(dá)されていました。これを、プラットフォーム上で、すべてオンラインで完結(jié)させることができるという機(jī)能を提供しています。
そして、マッチング?給車サービスです。先ほどのオンライン配送受発注では、元請け?荷主さんがいつも付き合っている運(yùn)送會社に対して配送の依頼を出すのですが、その協(xié)力會社、下請けでは波動を吸収できないケースがあります。その場合、この機(jī)能で、こういった荷物を運(yùn)んでほしいという依頼を出します。そうすると、MOVO上の現(xiàn)在150社程度ある運(yùn)送會社にその情報(bào)が出ていきます。そして、運(yùn)送會社のほうで運(yùn)べるところがあれば、そこが運(yùn)ぶ。そういった機(jī)能を提供しています。
また、先ほど協(xié)調(diào)領(lǐng)域であるとお話しした、バースの予約?管理のところです。ここは現(xiàn)在開発中で、來年の頭には提供を始めます。
さらに、パレットの管理です。物を運(yùn)ぶ世界では、下にプラスティックや木のパレットと呼ばれる板を敷いて、その上に物を乗せて運(yùn)びます。このパレットを紛失してしまうことがあります。これをもっと電子的に管理していきたい。そうした機(jī)能も、このプラットフォーム上で提供してまいります。
プラットフォームをクラウドで提供する
物を運(yùn)ぶ世界におけるあらゆる課題を解決するモジュールを、ワンプラットフォームで提供するのが我々の特徴です。これまでは、個別の課題に対して、システム?インテグレーションをして機(jī)能をつくっていくのが主流でした。これからは、プラットフォーム型で、クラウドで提供することが非常に重要だと考えています。それによって導(dǎo)入コストが下がります。導(dǎo)入スピードも早まります。また、さまざまな機(jī)能が追加されて利便性が高まっていきます。
また、いろいろな會社がクラウドのプラットフォームを使うことによって、物流ビックデータが貯まっていきます。この物流ビックデータを使って、そこにさらにAIを活用して、その情報(bào)から得られる資産をプラットフォーム上にいる會社に還元していく。それがその後のステップになります。こうしたプラットフォームを、先ほど申し上げたように日本だけではなくアジアで展開していきます。
オープンが大事であると坂村先生からお話がありました。我々の思想もオープンです。物流ビッグデータに関しては、APIを公開して、たとえばソフトウェアのベンダーの方々がこのAPIによって、物流ビッグデータを使って別のアプリケーションをつくっていける。そんな世界をつくることを目指しています。









