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森林経営管理法を知る
公開日:2019/01/30
森林経営管理法を知る
林業(yè)の規(guī)模拡大を目指す森林経営管理法が2019年4月から施行されます。森林の所有者に代わって自治體や民間事業(yè)者に伐採(cǎi)や植林など森林の管理を委託できる制度で、擔(dān)い手不足によって豊富な森林資源の利活用が停滯している林業(yè)の規(guī)制緩和ともいえる措置です。林業(yè)は馴染みの薄い分野ですが住宅建築などで建設(shè)?不動(dòng)産業(yè)界にも関連が深いだけに、知っておきたいテーマです。
多くの人工林が収穫期を迎えている
わが國(guó)は、國(guó)土面積の約7割を森林が占める森林大國(guó)です。國(guó)土に占める森林の比率(森林率)は、先進(jìn)國(guó)の中では「森林」のイメージが強(qiáng)い北歐のフィンランドに次いで2番目となっています。
日本と歐州の森林資源の比較
森林面積 (萬(wàn)ha) |
森林率 (%) |
森林蓄積 (億m3) |
ha當(dāng)たり 蓄積 (m3/ha) |
木材生産量 (萬(wàn)m3/年) |
蓄積変化量 (萬(wàn)m3/年) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
フィンランド | 2222 | 73.1 | 23 | 100 | 5928 | 2600 |
日本 | 2508 | 68.5 | 49 | 200 | 2714 | 7000 |
スウェーデン | 2807 | 68.4 | 30 | 100 | 7430 | - |
オーストリア | 387 | 46.9 | 12 | 300 | 1755 | 400 |
ドイツ | 1142 | 32.8 | 37 | 300 | 5561 | 3400 |
注 1:ha當(dāng)たり蓄積、蓄積変化量を除く表中の數(shù)値はいずれも「森林?林業(yè)統(tǒng)計(jì)要覧2017」による2015年の數(shù)値。
2:森林率については、森林面積を総面積(內(nèi)水面面積を除く)で除した數(shù)値。
3:ha當(dāng)たり蓄積については、森林蓄積を森林面積で除した數(shù)値。
4:日本の木材生産量は「木材需給表」による2016年の數(shù)値。なお、日本以外の各國(guó)は丸太生産量の數(shù)値。
5:日本の蓄積変化量は「森林?林業(yè)基本計(jì)畫」による2015年時(shí)點(diǎn)の総成長(zhǎng)量の値。なお、日本以外の各國(guó)は「森林?林業(yè)統(tǒng)計(jì)要覧」による2010年と2015年の蓄積量の比較から算出。また、スウェーデンは森林蓄積が減少していることから「-」としている。
資料:林野庁「森林?林業(yè)統(tǒng)計(jì)要覧」、林野庁「平成28年木材需給表」(平成29(2017)年9月)、
「森林?林業(yè)基本計(jì)畫」(平成28(2016)年5月)
日本の森林は5割が天然林で、4割が木材生産のために人の手で育てられている人工林、殘りの1割が竹林などとなっています。わが國(guó)の人工林はスギやヒノキ、カラマツなど比較的成長(zhǎng)が速く、建築用資材に適している針葉樹林が大半だといわれています。こうした人工林は、第二次世界大戦後の復(fù)興期から経済成長(zhǎng)期にかけて植林されたものが多く、戦後の荒廃した國(guó)土の再生や保全、水源保護(hù)を図る目的と、建築材として価値が見込まれることから造林が盛んに行われました。
そして、人工林の多くは今、造林から30年~50年を経過(guò)して収穫期を迎えていています。それにもかかわらず、有効利用が進(jìn)んでいません。これまで森林を守ってきた人たちの集落が過(guò)疎化したり高齢化が進(jìn)んだりした結(jié)果、林業(yè)経営の後継者が不足しているからです。木材価格が低下し、林業(yè)で生活することができなくなって森林の管理が疎かになった経済的事業(yè)も大きな背景のひとつにあります。40年以上かけて育ててきたスギ1本の値段が680円と、ダイコン數(shù)本分にしかならず、林業(yè)従事者の就業(yè)意欲を削いでしまっているのです。
林地臺(tái)帳作成航空測(cè)量會(huì)社が活躍
森林は、放置したままで間伐を行わないと伸び放題になって陽(yáng)射しがなくなり、木の根が枯れて地盤が緩くなります。すると大雨などによる土砂崩れの原因にもなります。ところが森林の6割を占める私有林の多くが所有者不明で、間伐しようにも手が付けられない狀況になっているのです。そこで國(guó)は2016年に森林法を改正し、各市町村に19年4月までに森林の所有者や境界などを記した「林地臺(tái)帳」を作成して公表するよう義務(wù)付けました。臺(tái)帳を作成して森林整備を促す狙いです。
所有者不明土地の割合に関する調(diào)査結(jié)果(2016年度地籍調(diào)査)
全體 | 都市部 | 宅地 | 農(nóng)地 | 林地 | |
---|---|---|---|---|---|
調(diào)査対象筆數(shù) | 622608 | 79783 | 98775 | 200617 | 243433 |
(1)登記簿上で所在確認(rèn) | 497549 (79.9%) |
68,203 (85.5%) |
81,610 (82.6%) |
166,648 (83.1%) |
181,088 (74.4%) |
(2)登記簿のみでは所在不明 | 125,059 (20.1%) |
11,580 (14.5%) |
17,165 (17.4%) |
33,969 (16.9%) |
62,345 (25.6%) |
國(guó)土交通省「國(guó)土審議會(huì)土地政策分科會(huì)特別部會(huì)第1回資料」より抜粋
しかし、各自治體には蟲食い狀態(tài)になっている森林の境界確定を作業(yè)するノウハウはありません。そこで航空測(cè)量會(huì)社などの國(guó)土コンサルタント會(huì)社が航空機(jī)やドローンなどでレーザー計(jì)測(cè)の方法を使って樹木の高さや太さなどを解析する作業(yè)を行っています。
航空測(cè)量業(yè)界は一般になじみの薄い業(yè)界ですが、土砂崩れや洪水、大雨などによる自然災(zāi)害時(shí)に大活躍しています。こうした會(huì)社には長(zhǎng)年蓄積した地形データがあり、災(zāi)害時(shí)には、それ以前に撮影した立體畫像と比較することで地形の変化を把握し、災(zāi)害の原因を突き止めて復(fù)舊策を立てる重要なデータを作成?提供しています。
所有者特定から擔(dān)い手探しで新法施行
所有者を特定する林地臺(tái)帳を策定するとはいうものの、これまで何十年も放置されてきた森林の持ち主が突如現(xiàn)れるとは思えません。また、たとえ所有者が確定しても、その人たちが森林管理を受け継ぐとは限りません。相続されて森林から遠(yuǎn)く離れた地域に住んでいるかもしれませんし、近くに住んでいても林業(yè)に従事する意思がないかもしれません。そこで國(guó)は、市町村を仲介役とする新しい森林管理制度を法制化することにしました。それが19年4月に施行される森林経営管理法です。
(図)森林経営管理制度の概要図
「林野庁森林経営管理制度(森林経営管理法)について」より作成
新制度は、所有者が伐採(cǎi)?植林できない場(chǎng)合、市町村などの地方自治體が「経営管理権」を設(shè)定し、自治體もしくは林業(yè)に意欲のある事業(yè)者に委託する仕組みです。林道などのインフラ整備は市町村自身が管理します。市町村が新制度を使って森林整備をしたいが所有者が確定しない場(chǎng)合は、都道府県知事の裁定で整備計(jì)畫を?qū)g行できる仕組みになっています。つまり、所有者が特定できないか、特定できても所有者が整備計(jì)畫に同意しない場(chǎng)合は、特例として代執(zhí)行できる権利が市町村に與えられたことになります。この點(diǎn)については一部で批判があるようです。また、こうした森林整備を國(guó)全體で促進(jìn)するため、2024年度から森林環(huán)境稅(年間1,000円)が住民稅に上乗せされます。
業(yè)務(wù)委託で林業(yè)の新規(guī)參入増える?
森林経営管理法は、林業(yè)の規(guī)制緩和を促進(jìn)させる法律といえます。森林の所有者は市町村に経営管理権を渡し、市町村は民間事業(yè)者に運(yùn)営を委託します。所有者、市町村、民間事業(yè)者の3者は経営管理権を「受益権」として取引する形になります。こうした事業(yè)スキームによって、異業(yè)種の新規(guī)參入業(yè)者が現(xiàn)れてニュービジネスが芽生えることが予想されます。
実際、前述した航空測(cè)量業(yè)界では、中核業(yè)務(wù)である山林のレーザー計(jì)測(cè)に加えて森林活性化事業(yè)の関連會(huì)社を設(shè)立した企業(yè)もあります。この會(huì)社では再生エネルギー事業(yè)を展開しており、間伐材から木質(zhì)のチップを作って燃やすバイオマス発電に取り組んだり、子會(huì)社に木材加工會(huì)社、住宅建築會(huì)社を保有したりして森林にかかわる多様な事業(yè)を展開しています。
ただし、森林は水源を保全するための大切な資源です。森林は雨や雪などの降水を保持し、ゆっくり流れ出すようにしている一種の自然裝置。これを水源涵養(yǎng)(かんよう)といい、洪水などの災(zāi)害を防ぐと同時(shí)に、地下を通過(guò)してゆっくり濾過(guò)させるので、ミネラル分を含んだ「おいしい水」を私たちに提供しているのです。
林業(yè)は奧深く、ここで語(yǔ)りつくすことは到底できませんが、豊かな國(guó)土資源を有効活用し快適な住空間を?qū)g現(xiàn)するために、將來(lái)に向けて森林の利活用が求められているのではないでしょうか。