2023年5月の「5類移行」でコロナ禍による行動制限が緩和されたことに伴い、「働き方」に変化が起きています。コロナ以前の勤務(wù)形態(tài)に戻す企業(yè)がある一方、テレワークの継続や會社勤務(wù)との併用など、多様な「働き方」が出てきています。このためオフィスビルに求められるものが変わってきているとの見方が出ています。

多様化するオフィス形態(tài)

テレワークと出社を組み合わせた新たな勤務(wù)スタイルである「ハイブリッドワーク」を採用する企業(yè)も増えています。
企業(yè)サイドは、労働生産性が維持できればオフィススペースの縮減や交通費低減などのコスト削減に繋がるので、リモートワークによる労働環(huán)境は否定すべきものではないとの認(rèn)識が定著しつつあります。一方でコミュニケーション不足などを理由に原則出社に戻す動きもあり、多様な働き方を提供したいと考える企業(yè)にとって、難しい局面に立たされています。そのような狀況下で新しく生まれているのが、自宅やサテライトオフィスなどと會社のオフィスを組み合わせた「ハイブリッドワーク」という新たな労働形態(tài)です。
ハイブリッドオフィスのほかにも、受付や電話代行、キッチンなどを併設(shè)した執(zhí)務(wù)スぺースを提供する「サービスオフィス」、複數(shù)の企業(yè)やフリーランスが共有して使う「シェアオフィス」、シェアオフィスのオープンスペース版ともいえる「コワーキングスペース」など、新たな形態(tài)のオフィス空間が続々と登場しています。長期の利用では割高になる反面、短期的な利用ならばお得で利便性の高いオフィス空間といえるでしょう。企業(yè)の利用目的に応じたタイプを選ぶことできます。

オフィスビル稼働率は底堅い？

行動制限の緩和によって、人の往來は回復(fù)傾向にあります。訪日客も戻ってきて観光地は賑わいを見せてきました。わが國最大のビジネス中心地である首都東京では、ビジネスパーソンの出勤が當(dāng)たり前の風(fēng)景になりつつあります。テレワークの普及が進(jìn)んでオフィスが供給過剰になる「2023年問題」への懸念が出ていますが、いまのところはオフィス回帰の流れが続いてテナントの稼働率は底堅さを見せているようです。

森トラストが2023年6月に公開した「東京23區(qū)のオフィスビル供給量調(diào)査」（2022年12月時點調(diào)査）によると、2022年の大規(guī)模オフィスビルの供給量は49萬m²に留まり、過去20年で最も少ない供給量を2年連続で更新。2023年は130萬m²、2025年は141萬m²と一定規(guī)模の供給になる一方で、2024年は69萬m²、2026年は66萬m²、2027年は74萬m²と供給は絞られる、と予測しています。ただし、2003年からの推移を見ると、供給量は需給バランスの関係で3年前後の間隔で上下動を繰り返しており、今後の推移も過去と比較すれば、必ずしも大きな変化といえないかもしれません。

図1：東京23區(qū)の大規(guī)模オフィスビル供給量の推移

出典：東京23區(qū)の大規(guī)模オフィスビル供給量調(diào)査 '23（2023年6月30日　森トラスト株式會社）

ただ、こうしたオフィスビル供給の上下動の背景には、ハイブリッドワークが新たな働き方の一部になっていることを同調(diào)査では挙げています。テナントに入居する企業(yè)は、社員を本社に集めるための魅力的な機(jī)能や、希薄化が懸念される企業(yè)文化の発信など、ハイブリッドワークのもとで新たな課題を抱えています。このため、こうした課題を解決できるオフィスに需要が集中していると分析しています。

東京の「一極集中」は根強(qiáng)い

2021年の東京都の人口は、コロナ禍で26年ぶりに減少しました。2015年から人口流入が上昇し2019年は推定1400萬人と過去最高を記録しましたが、2021年に落ち込みました。東京の一極集中は終わった、などと喧伝されましたが、2022年後半から東京の人口は増加に転じています。都心部のオフィス人気も依然として高く、三菱地所リアルエステートサービスが2023年12月に発表した東京主要7區(qū)（千代田?中央?港?新宿?渋谷?品川?江東）のオフィス空室率（延床面積3,000坪以上の賃貸オフィスビル991棟対象、2023年11月時點）では、2023年7月に7.05％まで上昇したものの、その後は6％臺をキープ、直近で6.42％となっており、安定した稼働率を維持しています。

オフィスビルに求められるものが変化している

多様な働き方の変化は、オフィスに求められる條件を様変わりさせている、との指摘があります。優(yōu)秀な人材の確保や企業(yè)のステイタス向上、環(huán)境への配慮など、オフィスの存在が単に仕事場としての位置付けから対外的な信用度、好感度の改善のための手段として考えられるようになっているのです。

また社內(nèi)コミュニケーションの強(qiáng)化や、新規(guī)事業(yè)開発の発信基地などイノベーションを生むための空間を?qū)g現(xiàn)させる動きも見られます。またオフィスビルの1階を地域住民に開放したり、商業(yè)施設(shè)を併設(shè)したりするオフィスビルも目立ってきています。新型コロナウイルス感染癥の5類移行を機(jī)に、オフィスビルは多様なニーズを求められ変容しているようです。