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將來の日本の姿を示す「國土形成計畫(全國計畫)」
公開日:2016/04/27
2015年8月、新たな「國土形成計畫(全國計畫)」が閣議決定されました。それは、2015年から今後10年間の國土づくりの方向性を定める計畫であり、安心して豊かな生活を送るための地域整備、産業(yè)、文化、観光、社會資本、防災(zāi)、國土資源、自然環(huán)境などを含めた長期的な國土づくりです。その概要をご紹介します。
國土形成計畫(全國計畫)策定の背景
國土形成計畫策定の背景には、2004年をピークにした急激な人口減少、少子化、高齢化の進展、変化する國際社會の中での競爭激化、30年以內(nèi)に70%の確率で発生が予想される首都直下地震をはじめとする巨大災(zāi)害の切迫、インフラの老朽化など、日本を取り巻く環(huán)境の変化があります。それらを受けて、國民の価値観にも変化が見られます。また、低?未利用地、荒廃農(nóng)地、荒れた森林、空き家なども増加しています。
これらに対応するためには、従來の國土計畫からの思い切った転換が必要でした。
「対流促進型國土」を目指す
國土形成計畫(全國計畫)では、安全で豊かさを?qū)g感できる國、経済成長を続ける活力ある國、國際社會の中で存在感を発揮できる國を目指すために、大きく二つの側(cè)面から新たな國土の形成を計畫しています。
第一は、これまでの量的拡大を目指した開発計畫から、成熟社會型の計畫へと舵を切ったことです。國土の質(zhì)的向上を目指し、國土の利用と保全を重視した計畫になっています。
第二は、國と地方の協(xié)働によるビジョンづくりを目指している點です。國土形成計畫は「全國計畫」と、二つ以上の都府県にまたがる広域ブロックごとに作成される「広域地方計畫」から構(gòu)成され、対流促進型國土を基本構(gòu)想に掲げています。
対流とは、多様な個性を持つさまざまな地域が相互に連攜して生じる、地域間の人、モノ、金、情報の雙方向の活発な動きであり、それらをイノベーション創(chuàng)出などにつなげることで國力の活性化を図ります。この対流こそが日本の活力の源泉と位置づけられています(図1參照)。
対流促進型國土のイメージ
出典:國土交通省 國土政策局 総合計畫課『新たな國土形成計畫』リーフレット
重層的かつ強靱な「コンパクト+ネットワーク」
地域の利便性を向上させ、圏域人口と必要な機能を維持するには、生活に必要な各種機能を一定の地域にコンパクトに集約したうえで、各地域をネットワークで結(jié)ぶ必要があります。
また、生活サービス機能、高次都市機能、國際業(yè)務(wù)機能を維持?提供し、災(zāi)害に対しても強くしなやかな國土構(gòu)造の形成を目指さなければなりません。
地域ごとの個性を際立たせつつ、新たなイノベーションを創(chuàng)出していくために、重層的かつ強靱な「コンパクト+ネットワーク」の構(gòu)築が計畫されています(図2參照)。
重層的かつ強靱な「コンパクト+ネットワーク」
出典:國土交通省 國土政策局 総合計畫課『新たな國土形成計畫』リーフレット
そして、魅力ある地方創(chuàng)生を行うことで、従來の「地方から東京へ」という人の流れを変え、東京一極集中を是正します。
とはいえ、東京圏では依然として過密の問題があり、首都直下地震など大規(guī)模災(zāi)害への対応のためにも、ICTなどを活用して「コンパクト+ネットワーク」化を進める必要があります。
こうして東京一極集中の是正を図る一方で、世界有數(shù)の國際都市として東京の國際競爭力をいっそう向上させていくことが、「グローバルに羽ばたく國土」の形成において重要なポイントとなるでしょう。
都市と農(nóng)山漁村の相互貢獻による共生
都市と農(nóng)山漁村の相互貢獻を行うために、(1)ローカルに輝き、グローバルに羽ばたく國土づくり、(2)安全?安心と経済成長を支える國土の管理と國土基盤づくり、(3)國土づくりを支える?yún)嫟冗B攜、が計畫されています。
1. ローカルに輝きグローバルに羽ばたく國土
- 個性ある地方の創(chuàng)生 個性ある地方の創(chuàng)生にあたっては、地域住民向けサービス業(yè)など、地域消費型産業(yè)の生産性向上を目指します。さらに、域外から所得を得るため、地域資源を生かした移輸出型産業(yè)を強化し海外展開を行います。また、地域発イノベーションの創(chuàng)出、起業(yè)の増加など、各地で創(chuàng)造的な空気を醸成するために、産學(xué)官金の連攜?対流、人材育成などが計畫されています。
- 活力ある大都市圏の整備 大都市圏では、國內(nèi)外の対流を通じ、イノベーションを生む創(chuàng)造の場としての役割が期待されます。個性を形づくる機能や産業(yè)を集積、良質(zhì)なオフィス空間の提供などを通じて、災(zāi)害に強い安全?安心な大都市圏の形成を目指します。さらに、急増する高齢人口に対応するため、都市政策?住宅政策?交通政策と醫(yī)療政策?福祉政策の連攜を図ります。
- グローバルな活躍の拡大 海外から投資を呼び込むために、交通?情報通信基盤が整備された都心街區(qū)、 効率化?高度化された物流網(wǎng)、外國人を含めた優(yōu)秀な人材にとってストレスのない居住環(huán)境などを準備していきます。また、アジア?ユーラシアダイナミズムを取り込むゲートウェイ機能の強化、「日本海?太平洋二面活用型國土」の形成など、2020年以後を見通した観光立國としての國土づくりが計畫されています。
2. 安全?安心と経済成長を支える國土の管理と國土基盤
- 災(zāi)害に対し粘り強くしなやかな國土の構(gòu)築 都市の脆弱性を踏まえた防災(zāi)?減災(zāi)対策を推進します。災(zāi)害に強い國土構(gòu)造をつくるうえでは多重性?代替性の確保、自助?共助とそれらを支える公助を強化する施策が計畫されています。また、福島再生を中心に、東日本大震災(zāi)被災(zāi)地の復(fù)興を進めていきます。
- 國土基盤の維持?整備?活用 ストック効果が最大限発揮されるような戦略的取り組みを行い、選択と集中によって計畫的な社會資本の整備を進めます。また、エネルギーインフラと情報通信インフラを整備し、國土基盤を「賢く使う」擔(dān)い手を確保しつつ、インフラビジネスの拡大を図ります。
3. 國土づくりを支える?yún)嫟冗B攜
- 地域を支える擔(dān)い手の育成 地域を支える擔(dān)い手として、地域の教育機関における人材育成、地域內(nèi)外の人材の育成?活用、若者、女性、高齢者、障害者の參畫?活用を推進します。
- 共助社會づくり 住民同士が主體的に支え合いながら、地域の課題に対応し活性化を図る社會づくりを目指します。ソーシャルビジネス(収益性のある事業(yè)?活動)、資金調(diào)達の仕組みづくり、地域外に居住する家族を含む「人の対流」を活用した共助社會づくり、コミュニティの再生、新たなコミュニティづくりなど、活動の継続性を確保するための計畫が準備されています。
※その他、國土形成計畫(全國計畫)の詳細については下記をご參照ください。