私たちの暮らしとIoT 第7回
Google Home でどれだけAI化できるか 「コネクト」する
スマートハウスの進(jìn)化

「OK Google 」から始まる暮らし

──東京?渋谷にある大和ハウス工業(yè)の住宅展示場(chǎng)。 ここでは、スマートスピーカー「 Google Home 」を通して、イッツ?コミュニケーションズの「インテリジェントホーム」がさまざまなデバイスをコントロールする「ダイワコネクト」を體験できる。これからの新しい暮らしのシーンがどう変わっていくか、実際にみてみよう。

朝

枕元の Google Home に「OK Google、朝の準(zhǔn)備お願(yuàn)い」と聲をかけると、自動(dòng)でカーテンが開き、コーヒーメーカーのスイッチがオン。アロマディフューザーも作動(dòng)する。
1階のリビングに下りたら、ここでも Google Home に「OK Google、朝の準(zhǔn)備お願(yuàn)い」と一聲。

リビングのカーテンが開き、照明が點(diǎn)燈。気象ニュースや経路を確認(rèn)することもできる。朝の準(zhǔn)備をしている間に、キッチンでは朝食づくりをスタート。忙しい朝の時(shí)間を効率的に使うことができる。

外出する時(shí)は「OK Google、家を出る準(zhǔn)備をお願(yuàn)い」といえば、カーテンが閉じ、消燈。ロボット掃除機(jī)が作動(dòng)する。

帰宅時(shí)

自宅近く300mほどまで來ると、スマートフォンの位置情報(bào)を感知し照明とエアコンが自動(dòng)でスイッチオン。玄関ドアを閉めると同時(shí)に、家中の電気がつく。

夕食はキッチンに置いた Xperia Touch が大活躍。キッチンのカウンターに映し出したレシピサイトを見ながら、お好みの料理をつくることもできる。

キッチンカウンターに夕食のレシピを映し出して調(diào)理スタート。

夜

「OK Google、シアターモードにして」──ゆったりとエンターテインメントを楽しむ時(shí)間の始まりだ。

プロジェクターが設(shè)置してある寢室のカーテンが自動(dòng)で閉まり、シアターモードの照明にライトダウン。正面の壁には、映像を映し出すプロジェクターが自動(dòng)で下りてくる。

就寢時(shí)

就寢時(shí)は「OK Google、おやすみ準(zhǔn)備をお願(yuàn)い」と一言。プロジェクターが収納され、照明もオフに。 Google Home に「OK Google、7時(shí)に起こして」と一聲かけて目覚ましのセットも完了だ。

家とスマートスピーカーがつながり、家事が効率化。充実したエンターテインメントが楽しめる暮らしが始まる。

エネルギー管理だけのスマートハウスは終わり

有吉：ダイワコネクトのコンセプトは「戸建住宅がIoT?AIを活用し、日本の住環(huán)境の課題解決を目指す」です。そのポイントとしては3つあげられます。

まずは、お客さまがニーズに合わせて好きなデバイスを組み合わせて使える「コネクト環(huán)境の整備」です。

さまざまな企業(yè)とオープンイノベーションを活用しながら連攜。生活シーンの各機(jī)器をつなげる仕組みを作っていきます。

次に、これまでの住生活提案のノウハウに加え、IoTやAIを活用した新たな生活価値を提供する「ライフシーン コンサルティング」を行います。

有吉善則　大和ハウス工業(yè) 取締役常務(wù)執(zhí)行役員
1982年京都工蕓繊維大學(xué)工蕓學(xué)部住環(huán)境學(xué)科卒業(yè)、大和ハウス工業(yè)入社。集合住宅?戸建住宅の商品開発を擔(dān)當(dāng)し、2017年同社取締役常務(wù)執(zhí)行役員に就任。

今のスマートハウスはエネルギーの有効活用が中心です。さらに我々はIoT、AIを活用して家事の効率化、健康管理、防犯、エンターテインメント、資産維持管理などのサービスを提案していきます。

3つ目が、住まう人と生活、情報(bào)を守るリスクマネジメントの強(qiáng)化です。情報(bào)セキュリティの構(gòu)築、誤操作?誤作動(dòng)による事故防止の安全対策、維持メンテナンスなどの対策をしていきます。

ダイワコネクト　３つのポイント

獨(dú)自開発よりも Google を?qū)毪工霙Q斷

有吉：ダイワコネクトの仕組みは Google Home を通して、さまざまなデバイスをイッツコムでコントロールするというもの。その最大のメリットは、音聲認(rèn)識(shí)。高齢者など、誰もが簡(jiǎn)単に使えるユーザーインターフェイスです。

ディープラーニングで音聲認(rèn)識(shí)の精度もどんどん向上していくので、使えば使うほど便利になっていきます。

実は、スマートスピーカーに近いものは、我々も大學(xué)発のベンチャーと3年ほど前から研究を進(jìn)めていました。

OK Google」の呼びかけに光って反応

想定していたのは、スマートスピーカーというよりはAIマイクのイメージです。照明などにマイクを埋め込み、音聲認(rèn)識(shí)とディープラーニングで、さまざまなデバイスをコントロールしたいと考えていました。

しかし、1年ほど前に事業(yè)部門からスマートスピーカーの活用という提案を受け、夏には Google Home を活用したプロジェクトがスタート。

時(shí)間とお金をかけて自分たちが開発するよりも、すでにある商品を有効活用するほうが効率的と判斷しました。結(jié)果としてユーザーにとっても価格的なメリットが大きくなりました。

IT化のきっかけは阪神?淡路大震災(zāi)

有吉：大和ハウス工業(yè)がIT住宅の研究をスタートしたのは1996年。きっかけは1995年の阪神?淡路大震災(zāi)です。

固定電話、攜帯電話が機(jī)能しない中、インターネットが災(zāi)害時(shí)の通信手段として強(qiáng)みを発揮したことに著目。そこからIoT関連の研究をスタートしました。

2001年には攜帯電話を使った電子錠やエアコンの遠(yuǎn)隔操作ができる「留守宅モニタリングシステム」を発売。2005年には家で健康チェックができる「インテリジェンストイレ」も手がけています。

自宅で尿糖値?血圧?體脂肪?體重の4つの機(jī)能を測(cè)定できる「インテリジェンストイレ」

HEMSで「電力の見える化」を?qū)g現(xiàn)したスマートハウス

そういう中で、大きなエポックメイキングになったのがスマートフォンの普及です。タッチパネルで、さまざまな遠(yuǎn)隔操作をすることが可能になりました。

もうひとつ、2009年に実証実験がスタートしたスマートハウスの登場(chǎng)も大きかったですね。

これは家庭で使うエネルギーを見える化する「HEMS（ヘムス）」を搭載したものです。無線の通信規(guī)格の統(tǒng)一化が進(jìn)み、エコネットとして標(biāo)準(zhǔn)化しました。2011年にはいち早くスマートハウスのモデルを全國に3棟建設(shè)。これらの展示場(chǎng)を見ていただくことで、ユーザーのみなさんにスマートハウスのイメージを提示しました。

ちょうど2011年は東日本大震災(zāi)の年。世の中のエネルギーに対する関心が高まる中、住宅にもエネルギーの発電?蓄電、省エネ化が求められるようになりました。家がエネルギーの地産地消のひとつとして考えられるようになったのです。

ただ、HEMSの場(chǎng)合、基本は「エネルギーの見える化」だったので、どうしてもユーザーへの訴求力が弱かった。そういう意味では、一般に広く普及できなかった部分もあります。

しかし、今回のコネクテッドなスマートハウスには、さまざまな可能性が広がっています。ユーザーにとっても投資対効果として、多くの利便性を?qū)g感してもらえると思います。

共働き世帯と高齢者に寄り添う家

有吉：ダイワコネクトのターゲットは、30代、40代の共働き世帯、高齢者、介護(hù)世帯などです。仕事や子育てに忙しい共働き世帯にとって、家事の効率化は大きなテーマとなります。効率化することで、自分や家族の時(shí)間が生まれることが、住む人の暮らしを豊かにしてくれるはずです。

また、少子高齢化が進(jìn)む中、高齢者の暮らしを守る視點(diǎn)も必要です。

例えば、食事のケータリング、ヘルパーや遠(yuǎn)くに住む家族とのコンタクトができる家というのは、以前から構(gòu)想にありました。さらに今後は醫(yī)療との連攜、例えば自宅からホームドクターの遠(yuǎn)隔醫(yī)療を受けることなども実現(xiàn)していきたいですね。

住宅メーカーとしては、建物自體を見守ることも考えたい。どこかで雨漏りがしている、給湯器が壊れそうだなどの維持管理です。機(jī)器側(cè)にセンサーを組み込めば、それらの情報(bào)を発信することは比較的簡(jiǎn)単で、壊れる前に予測(cè)することも可能です。これは機(jī)器メーカーにとっても、メンテナンスにとどまらず、継続して商品を使って購入してもらうというメリットになるでしょう。

ハードで勝負(fù)する時(shí)代は終わり

有吉：まず、第一に我々が注力するのは、住宅をどう管理するか、住む人をどう見守るかというコンテンツの提案です。スマートスピーカー市場(chǎng)の活性化に伴い、將來的にはユーザーのニーズに合わせた選択をする可能性もあるでしょう。

住宅業(yè)界は、まだまだ「オリジナルで差異化を図りたい」という意識(shí)が強(qiáng)い。しかし、もはやハードで勝負(fù)する時(shí)代ではありません。それよりもコンテンツの力が重要です。我々も、生活の中で必要とされる音聲認(rèn)識(shí)を?qū)W習(xí)するプログラムなど、住宅メーカーとしてのコンテンツを充実させていくつもりです。

ハードやインフラはできるだけ共通化し、コストを抑えていく。その代わりできるだけ多くの企業(yè)に參畫してもらい、コンテンツで勝負(fù)していく。それがこれからのAIを活用したスマートハウスです。

実際、AIやテクノロジーの進(jìn)化に合わせて、ここ5年ほどでIoTに対応したデバイス機(jī)器が家電を中心に急激に増加しています。クラウドでコネクテッドした家には、今後より多くの設(shè)備、家電、セキュリティなどがつながっていくはずです。

健康とセキュリティを最大限サポートする

有吉：私は住む人にとって究極の幸福は「健康であること」だと考えているので、それを最大限サポートしていきたいですね。例えば家事の効率化も、日常生活にゆとりを生み、健康な暮らしをサポートすることのひとつ。

もうひとつは、セキュリティです。高齢者など體力的弱者への人災(zāi)的なセキュリティ、情報(bào)のセキュリティ。そして災(zāi)害など天災(zāi)へのセキュリティも考えていかないといけない。いくら普段便利でも、雷が落ちたら役に立たないというのでは、困りますから。

コネクテッドホームはスタートラインに立ったばかりで、まだまだ現(xiàn)狀には満足していません。住宅メーカーとして、住む方が満足してくれるようなコンテツやサービスを作り上げ、新しいスマートハウスの時(shí)代を築いていきたいと思っています。

※ Google、Google Home は Google LCC の商標(biāo)です。

※ Google Home でインテリジェントホームを操作するには、IFTTT（イフト:異なるプラットフォームを連攜させるウェブサービス）と Google Home の初期設(shè)定 が必要です。

※NewsPicks『Google Home で住まいはどれだけAI化できるか（2018年1月5日公開）』より転載（取材：久川桃子　構(gòu)成：工藤千秋　動(dòng)畫：安岡大輔　寫真：北山宏一　デザイン：九喜洋介）

※2018年2月現(xiàn)在の情報(bào)となります。