暮らしにいいものを探して vol.25鳥取?巖井窯を訪ねて【後編】
土鍋でつくる
おいしい暮らし

クラフト館 巖井窯の喫茶HANAで
人気の土鍋料理をご紹介！

陶蕓家?山本教行さんがつくる人気作品の一つが土鍋シリーズ。食材を包み込むようにゆっくり熱が伝わって食材をおいしく仕上げるのが特徴です。「ごはんは一番違いが実感できると思います。別物になりますよ」と妻の山本房江さん。娘の姫奈さんと二人で喫茶HANAを切り盛りされています。
まずは店で人気の土鍋料理2品をご紹介しましょう。

土鍋焼ビビンパ

喫茶HANAの看板料理。ごま油を引いた土鍋にごはんを入れて、ひき肉、たっぷりの野菜ナムル、キムチ、目玉焼きをのせて香ばしく焼き上げます。熱々、パリパリのお焦げもおいしい！

小ぶりの耳付土鍋（6寸）を使用。一人用サイズながら満足できるボリューム。スープ、自家製漬物付1,300円。

ミルクキムチ雑炊

寒い季節(jié)の人気メニューの一つ。チゲスープにミルクとチーズを加えた韓國風(fēng)リゾット。コクのあるミルクととろけたチーズでまろやかな、優(yōu)しい味わいに。蓄熱するのでずっと溫かいまま食べられるのも土鍋ならではです。

サイズが豊富な耳付土鍋シリーズ、6寸はチゲや雑炊にぴったり。ふっくらおいしい金時煮豆も土鍋で炊いたもの。1,300円。

山本教行さんの
好きなものに囲まれて…。
店內(nèi)の心地よい空間も魅力

テーブル3卓のこじんまりしたスペースはのんびりと落ち著ける空間。調(diào)度品はどれも山本教行さんの目で選んだものばかり。若い頃に手づくりしたというベンチは、座面を開くとベッドにもなる工夫が施されている。店で使い込まれていい色に。

喫茶HANAの店內(nèi)は山本教行さんが好きだと思うものだけが置かれています。ベンチは25歳のときに自身でつくって使っていたもの。松本民蕓家具の椅子やLOFTで購入したスタンドランプ、骨董店で見つけた時計…新舊のさまざまなものが違和感なく整えられた、心地よい空間になっています。

おいしい體験をふだんにも。
一家に一つ欲しくなる土鍋！

ランチに使われている土鍋はテカリのある年季の入ったものばかり。「土鍋も使っていると育ちますよ」と姫奈さん。「最初はマットな風(fēng)合いですが、使ううちにテカテカと黒光りしてきます。熱伝導(dǎo)がすごく良くなって、ああ調(diào)子が上がってきたなというのがわかります」

自宅でもしまい込まずに日常的に登場させているそう。「いい服を著たらちょっと気分が上がる、それと同じです。買ってきたおでんでも、そのままじゃなくて、入れ替えて食べたら気持ちが上がると思うんです。冷めないのでゆっくり食べられますしね」

土鍋は陶器なので、扱いと手入れには少し気を使ってほしいとも。急激な溫度変化に弱いので、洗うときは冷めてから、そしてとにかくよく乾かしてから使うのが基本です。
「陶器なので膨張するし、長時間水につけると水を含んでしまう、ひびも入るものなんです。磁器や鉄の鍋とは違うので、金物でこんこんとたたくと割れます。優(yōu)しくひと手間かけて使ってもらえたら、愛著も湧くし長く使っていただけると思います」
使い慣れれば大丈夫で、最近はそうした手のかかることを逆に楽しめる若い人も多いのだそう。使って、食べて、愛おしんで…、土鍋を通じて暮らしの楽しみが見つかりそうです。

特別に山本家の食卓の定番もご紹介！ かす汁は耳付土鍋（9寸）で。吟醸の酒かすをほんのりと味噌と合わせるのが山本家の味。「冬は普通に鍋料理に使いますし、肉じゃがなどの煮物もいい感じに仕上がりますよ」と房江さん。

土鍋でごはんを炊く

土鍋シリーズの蓋付片手土鍋は炊飯にも重寶、短時間でふっくらおいしいごはんが炊き上がります。「たまに子どもさんが店に來られますが、家ではあまり食べないのに、ここのごはんはよく食べるんですと言われるお母さんがいらっしゃいますね」

洗ったお米と水を入れて蓋をして最初は中火で5分ほど、その後、強火にして、湯気が出てぶくぶくしてきたら弱火にします。

湯気が上がってきたら、蓋をずらして吹きこぼれがおさまるまで様子を見ます。落ち著いてきたら蓋を戻します。7分ほどで湯気がおさまり、鍋の音も靜かに。

火を止めてそのまま10分蒸らします。お焦げをつくるなら火を止めるまでの時間を少し延ばして。蒸らし終わると、ふっくらおいしいごはんの出來上がり！

撮影用に炊いていただいたごはんの殘りをおにぎりに。冷めてからもおいしかった！ イベントなどで用意されるおにぎりは、いつも大好評だそう。