人口ピラミッドを見ると、団塊の世代（1947年～1949年生まれの世代）は、団塊ジュニア世代（1971年～1974年）と並び日本の人口におけるボリュームゾーンとなっていますが、2025年以降に団塊の世代が後期高齢者（75歳以上）となり超高齢社會を迎えます。それによって起こる社會保障費の増大や醫(yī)療?介護資源の不足、現(xiàn)役世代の負(fù)擔(dān)増等のさまざまな問題のことを「2025年問題」と呼んでいます。

2025年問題は、事業(yè)承継においても大きな問題となっています。帝國データバンクの企業(yè)概要ファイルによれば、「団塊の世代」の社長が最も多く、日本人男性の平均壽命を考えれば、近い將來、社長不在となるのは明らかです。
また、帝國データバンクの調(diào)査によれば、2022年時點の社長の平均年齢は60.4歳となっています。1990年から32年連続で上昇し、過去最高を更新したようです。また、2022年に社長が交代した割合は3.82％で、前年から0.1pt低下しています。加えて、社長が引退する平均年齢は68.8歳となり、70歳が目前の段階で交代している結(jié)果となっているようです。

図

帝國データバンク　全國「社長年齢分析調(diào)査」（2022年）より

2022年度の後継者難倒産では、その主な要因として「代表者の病気?死亡」が占める割合が47.8％にのぼり、過去10年間で最も高かったとしています。約半數(shù)にも上る病気や死亡が起きたあとでは、當(dāng)然、事業(yè)承継の対策は遅れてしまうどころか、経営の継続すら危ぶまれることになります。
「中小企業(yè)?小規(guī)模事業(yè)者におけるM&Aの現(xiàn)狀と課題」によると、事業(yè)承継が進まなければ、経営者の高齢化と後継者不在による廃業(yè)が進み、約22兆円のGDPの損失、約650萬人に上る雇用喪失が起きる可能性があるとしています。

事業(yè)承継では「人（経営）」「資産」「知的資産」の3つを承継する

事業(yè)承継では、承継するものを「人（経営）」「資産」「知的資産」の3つに分けることができます。
「人」は後継者。後継者の選定、育成、教育が必要です。後継者の育成には5～10年ほどかかりますので早期から取り組む必要があります。
「資産」は株式、許認(rèn)可、資産、事業(yè)用資金などです。
「知的資産」は、経営理念や経営者の信用、人脈、顧客情報、ノウハウなどです。
これら「人（経営）」「資産」「知的資産」の3つにおいて早い段階で事業(yè)承継計畫を策定し、計畫的に進めていくことが重要です。
ただし、會社を強くしておくことを忘れてはいけません。良い會社になれば、経営者保証は不要となり、継ぎたいと考える人も現(xiàn)れるでしょうし、継ぐに値しないような會社は敬遠されるでしょう。ましてや経営者保証があるとなれば、継ぎたいと考える人は少なくなります。

ホールディングスを設(shè)立することも対策のひとつ

ホールディングス化（持株會社の設(shè)立）も事業(yè)承継に有効な手立てのひとつです。
事業(yè)を行ってきた會社の株式や不動産などの資産を保有し、管理するために、ホールディングスを設(shè)立します。事業(yè)會社は事業(yè)を行うために殘し、ホールディングスではオーナーや家族の資産を増やしていくために、不動産を活用しながら資産運用を行います。事業(yè)が厳しくなった時はホールディングス會社で持っている不動産の家賃収入が事業(yè)を助けることもあるでしょうし、仮に事業(yè)を第三者に売卻したとしても、ホールディングスがあることでオーナーと家族に資産が殘ります。

不動産を活用することも可能

多くの企業(yè)にとって避けられない問題である事業(yè)承継対策ですが、不動産を活用する方法もあります。
會社の株式は、多くの場合、親族や社員などの後継者が受け継ぎますが、評価額が高いと相続稅などの負(fù)擔(dān)が大きくなります。企業(yè)の評価額を下げる意味で、不動産を購入することで現(xiàn)金資産を減らすことも検討材料のひとつになるでしょう。
また、不動産などの資産を所有している場合は、改めて査定を行い、価値を正確に把握しておくことが大切です。価値を正確に把握することは、資産狀況の整理や最適化によって事業(yè)再生につながることもあります。

國も支援

國は目前に迫る2025年問題の影響を考慮し、事業(yè)承継に関する多くの支援策を?qū)g施しています。事業(yè)承継?引継ぎ支援センターや事業(yè)承継?引継ぎ補助金、事業(yè)承継稅制などの稅制措置など、各支援策を積極的に活用することで、よりスムーズな事業(yè)承継が期待できるでしょう。

事業(yè)承継について不安や課題をお持ちの場合は、早期に専門の支援団體や稅理士に相談することをおすすめします。そして適切な情報を収集し、自社に合った方法で事業(yè)承継を検討してください。