技術(shù)研究トレンド
建築

近年、カーボンニュートラル(脫炭素社會(huì))の実現(xiàn)が差し迫った社會(huì)課題となっていますが、國(guó)を挙げた取り組みとして注目されているのが「ZEB(ゼブ)」の普及です。ZEBとはNet Zero Energy Building(ネット?ゼロ?エネルギー?ビル)の略稱で、年間の一次エネルギー消費(fèi)を、省エネ?創(chuàng)エネ技術(shù)によって実質(zhì)ゼロにした建築物をいいます。
今回は、迅速なZEB設(shè)計(jì)?提案?普及を支援し、ひいてはカーボンニュートラルの実現(xiàn)に貢獻(xiàn)する技術(shù)開(kāi)発について詳しくご紹介します。
大和ハウス工業(yè)では技術(shù)開(kāi)発で新たな進(jìn)展を?qū)g現(xiàn)しました。これまで數(shù)週間かかるため外部へ委託していた省エネ計(jì)算を社內(nèi)でわずか1時(shí)間で済むツール開(kāi)発に成功したのです。それが、2023年12月26日から本格運(yùn)用を開(kāi)始した、ZEB設(shè)計(jì)ツール「D-ZEB Program」です。
このツール開(kāi)発により、斷熱や設(shè)備など建物の仕様が確定していない設(shè)計(jì)の初期段階から、標(biāo)準(zhǔn)入力法による省エネ性能(Building Energy Index:以下、BEI)の計(jì)算を短時(shí)間で行い、最適なZEB提案を可能にしました。
D-ZEB Programのイメージ
「D-ZEB Program」開(kāi)発の背景には、建築業(yè)界のカーボンニュートラル実現(xiàn)のための法規(guī)制強(qiáng)化がありました。改正建築物省エネ法(2022年6月17日公布、2025年4月施行)により、省エネ基準(zhǔn)の適用範(fàn)囲が拡大。2025年4月からは延床面積2,000平方メートル以上の大規(guī)模非住宅建築物が対象となり、2026年には延床面積300平方メートル以上の中?大規(guī)模建築物に適用される見(jiàn)込みです。このような狀況下、省エネ対応が必要な建物が増加し、設(shè)計(jì)者には迅速かつ効率的な対応が求められることになりました。
もともと大和ハウス工業(yè)では、2011年から「エネルギーゼロ」を目指す環(huán)境配慮型建築「D’s SMART シリーズ」をスタートし、事務(wù)所をはじめ店舗、ホテルや學(xué)校、病院など、さまざまな用途のZEBにいち早く取り組んできました。
第7次中期経営計(jì)畫(2022~26年度)の中でも、「2030年までに、やれることはすべてやる」を基本姿勢(shì)に、2050年の溫室効果ガス排出量の実質(zhì)ゼロを目指す「カーボンニュートラル戦略」を策定。持続可能な社會(huì)の実現(xiàn)に貢獻(xiàn)しようと、具體的な歩みを進(jìn)めていました。
その結(jié)果、手がけたZEB物件は2024年3月までの累計(jì)で1,305棟にも及びます。23年度上期にはZEH※率は95%、ZEB率は66.3%を達(dá)成。この豊富なZEB物件の施工で培った省エネ?創(chuàng)エネの技術(shù)の蓄積が「D-ZEB Program」の開(kāi)発にもつながっています。
これまでのBEI計(jì)算には課題がありました。従來(lái)の計(jì)算方法は、設(shè)備設(shè)計(jì)を行い仕様が確定しないと計(jì)算できなかったため、設(shè)計(jì)の最終段階で行うことが多く、設(shè)計(jì)の初期段階でのZEB評(píng)価や検討は困難でした。また、設(shè)計(jì)建物の各部屋ごとに床面積や斷熱?設(shè)備仕様など膨大な設(shè)計(jì)情報(bào)を入力する必要があったことから、設(shè)備設(shè)計(jì)を行うプロセスを含め、BEIを算出するまでに數(shù)週間を要していました。
ZEB化推進(jìn)の動(dòng)きが加速する中、設(shè)計(jì)の初期段階でお客様に具體的なZEB提案を行えず、設(shè)計(jì)変更時(shí)にも速やかな対応が難しい狀況に直面していました。
大和ハウス工業(yè)では、建築する物件のZEB率100%を目指しています。この目標(biāo)を達(dá)成するため、計(jì)畫の早い段階からZEB建築の導(dǎo)入を積極的に提案する必要があります。こうした課題に対し、設(shè)計(jì)の初期段階からZEB評(píng)価を可能にする仕組み(設(shè)計(jì)ツール)として開(kāi)発されたのが「D-ZEB Program」です。これにより、最初のプレゼンテーション時(shí)にZEB提案が可能となり、設(shè)計(jì)著手までの著しい時(shí)短が葉ったのです。
設(shè)計(jì)変更が頻繁に発生する設(shè)計(jì)の初期段階において、速やかなBEI計(jì)算が可能になれば、ZEB化の検討をより柔軟に行えます。また、計(jì)算結(jié)果を迅速に得ることで、設(shè)計(jì)者は多くの時(shí)間をより創(chuàng)造的な設(shè)計(jì)作業(yè)に充てることができます。
「D-ZEB Program」開(kāi)発に攜わった、研究員の久野はこう語(yǔ)ります。
「最大の特徴は平面図情報(bào)のみでBEIを判斷できること。弊社では共通して建築3次元CADソフトウェアの〈Revit〉(※)を使っていますが、これで作成した意匠図の屬性情報(bào)を利用し、「D-ZEB Program」に落とし込んでいます。その結(jié)果、初期設(shè)計(jì)、詳細(xì)設(shè)計(jì)段階における省エネ計(jì)算のリードタイムを99%以上削減できました。
D-ZEB Programは、入力した床面積や用途などの平面図情報(bào)から、設(shè)備機(jī)器の能力や臺(tái)數(shù)など、BEI計(jì)算に必要な設(shè)備設(shè)計(jì)の情報(bào)を內(nèi)部で自動(dòng)計(jì)算します。また、斷熱や設(shè)備の仕様や性能値をデータベースとして登録していますから、入力畫面で性能を選択するだけで、迅速にBEI結(jié)果を取得できるんです。室數(shù)が少ない建物なら、入力情報(bào)も少なくて済むので30分以內(nèi)、延床面積2,000平方メートル程度のオフィスビルの場(chǎng)合でも、1時(shí)間以內(nèi)で計(jì)算が可能です」。
久野は大學(xué)院修士課程を終え、入社5年目というまだ若手。しかし、この畫期的なプロジェクトで重要な役目を任されました。開(kāi)発はどのように進(jìn)められたのでしょうか。
「今回は、意匠や設(shè)備の現(xiàn)業(yè)部門や本社部門など、さまざまな部署の方と一緒に進(jìn)めたプロジェクトになります。プロジェクトに著手したのは2023年4月でした。(同年10月公開(kāi)の)パイロット版では當(dāng)初、オフィスビルのみが対象だったのですが、それでは使える範(fàn)囲が狹い。そこで、事業(yè)部からのニーズも強(qiáng)かったこともあり、店舗、工場(chǎng)、倉(cāng)庫(kù)、介護(hù)施設(shè)、ホテルと用途の幅を広げました」。
開(kāi)発にあたって、どんな點(diǎn)に苦労があったのでしょう?
「入力情報(bào)が多ければ、計(jì)算の精度は高まりますが、當(dāng)然時(shí)間がかかる。逆に入力項(xiàng)目を少なくすると、計(jì)算の精度は低くなってしまう。時(shí)間短縮と計(jì)算精度の両立を図るロジックを構(gòu)築するには苦労がありました」。
しかし、現(xiàn)場(chǎng)スタッフとの関わりが開(kāi)発に拍車をかけたといいます。久野のこんな言葉からも、現(xiàn)場(chǎng)との連攜がうまくとれているのがわかります。
「2023年4月のプロジェクト著手から完成まで2年はかかると思っていたのですが、現(xiàn)場(chǎng)と逐一コミュニケーションをとることで円滑に進(jìn)み、2024年3月には病院?飲食店版を、6月には學(xué)校?集會(huì)所?共同住宅版の公開(kāi)に至りました。現(xiàn)場(chǎng)で使われなかったら意味がありません。フィードバックをもらったりして、現(xiàn)場(chǎng)と一緒に作り上げていくことにやり甲斐を感じました」。
これが大和ハウス工業(yè)の企業(yè)文化と言えます。久野も大和ハウス工業(yè)が基本姿勢(shì)として掲げるキャッチフレーズ“共に創(chuàng)る。共に生きる。”を?qū)g踐する経験を積んだのです。
大和ハウス工業(yè)は地球溫暖化に危機(jī)感を持ち、急務(wù)の課題としてカーボンニュートラルの実現(xiàn)に取り組んでいる真っ只中です。業(yè)界に先駆けて、新たに提供するすべての建物の原則ZEH?ZEB化、太陽(yáng)光発電設(shè)備搭載の方針を打ち立てるとともに、一連の取り組みを自社グループでも先行して実施。新築する自社施設(shè)の原則ZEB化や、街のエネルギーをすべて再エネでまかなう持続可能な街づくりを目指しています。
今回ご紹介した「D-ZEB Program」は、カーボンニュートラルという前例のない命題を前に、大和ハウス工業(yè)が培ってきた経験と技術(shù)をベースに開(kāi)発した課題解決策の一つと言えます。今後も大和ハウス工業(yè)では、さまざまな専門領(lǐng)域の知見(jiàn)を結(jié)集し、創(chuàng)業(yè)70年の歴史を持つ住宅総合メーカーの使命として、社會(huì)的要請(qǐng)に応える技術(shù)開(kāi)発に取り組んでまいります。
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