厚生労働省は増加を続ける社會保障費用の中、対応策のひとつとして、「セルフメディケーション」を推進しています。
セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責(zé)任を持ち、軽度な身體の不調(diào)を自分で手當てする」（WHO定義）ことで、病気予防や健康の維持増進に加え、醫(yī)療費適正化にもつながる取り組みです。
具體的には、薬局やドラッグストアで処方箋なしに購入できる「OTC醫(yī)薬品」（薬局やドラッグストアなどで選んで買える「要指導(dǎo)醫(yī)薬品」と「一般用醫(yī)薬品」）の活用があります。また、自分で自分の健康を守るために健康診斷の受診、予防接種などもセルフメディケーションのひとつと言えます。OTC醫(yī)薬品の中で、もともと醫(yī)師の処方が必要だったものは「スイッチOTC醫(yī)薬品」と呼ばれています。
また、醫(yī)療費控除の特例として、2017年（平成29年）1月1日以降にスイッチOTC醫(yī)薬品を購入した際、その購入費用について所得控除を受けることができる「セルフメディケーション稅制」が開始されています。
「日本一般用醫(yī)薬品連合會と日本OTC醫(yī)薬品協(xié)會等の関連団體が実施した生活者調(diào)査」によると、2022年3月の最新調(diào)査では「セルフメディケーション稅制の利用意向」が過去最高の20.7％にのぼるなど、徐々に國民の関心が高まっていることがわかります。
セルフメディケーションによって、國民一人ひとりのヘルスリテラシーが向上すれば、醫(yī)療費の削減、社會保障費の適正化につながるとして、國は「経済財政運営と改革の基本方針2022（抄）（令和4年6月7日閣議決定）」の中で、「OTC醫(yī)薬品?OTC検査薬の拡大に向けた検討等によるセルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上に取り組む」としています。

セルフメディケーションにおける醫(yī)療関連施設(shè)、薬局

このような、セルフメディケーションの広がりは、醫(yī)療関連ビジネスにも大きな影響を與えそうです。
各自治體は、地域の力を活用した醫(yī)療?介護サービスの拡充を目指す地域包括ケアシステムを進めていますが、2025年は、団塊の世代が75歳を迎え後期高齢者となり、本格的な超高齢化社會を迎えます。
自治體が地域包括ケアシステムを推進していくためには、病院や診療所、薬局など、地域のニーズに合致した醫(yī)療機関が配備されていることが重要となります。
厚生労働省は、「患者のための薬局ビジョン」の中で、「地域包括ケアシステムの一翼を擔(dān)い、薬に関して、いつでも気軽に相談できる、かかりつけ薬剤師がいることが重要」であるとし、「薬剤師?薬局は、地域包括ケアシステムを擔(dān)う一員として、醫(yī)療機関等の関係機関と連攜しつつ、その専門性を発揮し、患者に安全かつ有効な薬物療法を切れ目なく提供する役割を果たすことが求められている」と、薬局の重要性を説いています。

「令和4年（2022年）醫(yī)療施設(shè)（動態(tài)）調(diào)査?病院報告の概況（厚生労働省）」によれば、2022年10月1日現(xiàn)在における全國の醫(yī)療施設(shè)総數(shù)は183,364施設(shè)で、このうち、「活動中の施設(shè)」は181,093施設(shè)。前年に比べ697施設(shè)増加となっています。

• ?「病院」は8,156施設(shè)で、前年に比べ49施設(shè)減少、「一般診療所」は105,182施設(shè)で890施設(shè)増加。
• ?一般病院のうち「療養(yǎng)病床を有する病院」は3,458施設(shè)（病院総數(shù)の42.4％）で、前年に比べ57施設(shè)減少。
• ?一般診療所は「有床」が5,958施設(shè)（一般診療所総數(shù)の5.7％）で、前年に比べ211施設(shè)減少し、このうち「療養(yǎng)病床を有する一般診療所」は586施設(shè)で、前年に比べ56施設(shè)減少。
• ?「無床」は99,224施設(shè)（同94.3％）で、前年に比べ1,101施設(shè)増加。
• 厚生労働省：令和4年（2022年）醫(yī)療施設(shè)（動態(tài)）調(diào)査?病院報告の概況より

このように、全體的に有床施設(shè)が減少し、無床施設(shè)が増加しています。醫(yī)療施設(shè)の増減においても、「地域包括ケアシステム」の推進を表す狀況となっています。
醫(yī)療施設(shè)は、醫(yī)師や薬剤師などの専門職、法人としての組織、そして、そこに土地を供給する土地オーナーが欠かせません。土地オーナーも地域の一員として、施設(shè)を提供できる主體として存在しているわけです。

土地活用としての醫(yī)療?介護施設(shè)、薬局を誘致

地域や不動産の條件によりますが、所有する土地の活用方法を検討している場合、地域における醫(yī)療體制を確認しながら、醫(yī)療や薬局などの施設(shè)を検討してみるのも良いでしょう。
土地活用による?yún)б婷妞狻⒋螭圣荪ぅ螗趣韦窑趣膜扦工⒑韦瑜辘獾赜颏摔·蓼い畏饯谓】丹蚴丐毪郡幛我恢摔胜胪恋鼗钣檬侄韦扦ⅳ辍⑸鐣暙Iとしての土地活用につながります。
土地活用の方法としては、「土地を貸す」「土地と建物を貸す」「リフォーム（リノベーション）して貸す」の方法があります。

• ?土地を貸す
  醫(yī)療法人または醫(yī)師、薬局経営企業(yè)に土地を貸し、借主が施設(shè)を建設(shè)します。土地のみの賃貸契約ですから、リスクが少ない方法だと言えるでしょう。
• ?土地と建物を貸す
  土地所有者が病院や診療所、薬局などを建築し、土地と建物を一括で貸す方法です。「建て貸し」とも言われる賃貸借契約です。施設(shè)を建設(shè)するので、初期投資が高額になりますが、賃料を市場やニーズに合わせて設(shè)定できますので、収益を生む賃貸ビジネスとして行うことが可能です。
• ?リフォーム（リノベーション）して貸す
  土地オーナーがすでに賃貸施設(shè)を保有しており、テナントして入ることができる空室がある場合、そのスペースを診療所や薬局として使用できるようリフォーム（リノベーション）し、貸す方法です。都市部などで多い方法です。貸す側(cè)、借りる側(cè)とも、新築に比べればリスクを低減できる方法だと言えるでしょう。

いずれの方法も、周辺環(huán)境や立地條件、施設(shè)の條件などによってメリット、デメリットがあります。地域の狀況やこれからの人口推移などを確認しながら、慎重に進める必要があります。また、その土地の用途地域の確認も必要です。診療所には用途地域の制限はありませんが、病院は第1種?2種低層住居専用地域と工業(yè)地域、工業(yè)専用地域には建築することができません。
醫(yī)療関連市場に詳しい不動産関連企業(yè)や建築會社に相談しながら検討してください。