コラム vol.120
障がい者用の民間賃貸住宅最前線レポート
土地活用としての障がい者用住宅
公開日：2016/04/27
「グループホーム」と呼ばれる、障がいのある方が地域の中で、共同生活を行う住まいの場について、土地活用の観點(diǎn)から考えてみたい。
かつては、「グループホーム」と「ケアホーム」に分かれていたが、平成26年4月に障がい者総合支援法が改正され、現(xiàn)在では「グループホーム」に名稱が統(tǒng)一されている。かつての區(qū)分では、「グループホーム」は障がい者の方のうち、介護(hù)を要しない方に対し家事等の日常生活上の支援を提供し、ケアホームは、介護(hù)を必要とする方に対し、食事や入浴、排せつ等の介護(hù)を併せて提供する施設(shè)のことを指していた。
グループホームを利用する利用者（障がい者）は、
- （1）単身での生活は不安があるため、一定の支援を受けながら地域の中で暮らしたい方
- （2）一定の介護(hù)が必要であるが、施設(shè)ではなく、地域の中で暮らしたい方
- （3）施設(shè)を退所して、地域生活へ移行したいが、自立に向け、訓(xùn)練の場が必要な方
などである。
土地活用として、居住用不動(dòng)産を建て、賃料収入を得るパターンには、一般的な賃貸住宅の他に、高齢者の為のサ高住（サービス付き高齢者向け住宅）や有料老人ホーム、認(rèn)知癥高齢者グループホームなどがあるが、今回解説する障がい者の為のグループホームも、その一つとして、いまにわかに注目を集め始めている。
注目を集める理由として以下の2つの點(diǎn)があげられる。
（1）障がい者用のサービス付き賃貸住宅が不足しているため、政府（厚生労働者）が増やす支援策を行っている。
厚生労働省も、以下のように説明している（HPより引用）
厚生労働省は、障害の有無にかかわらず、國民が相互に人格と個(gè)性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社會(huì)の実現(xiàn)に寄與することを目指し、障害者の地域生活の支援を推進(jìn)することとしています。このため、現(xiàn)在グループホームやケアホームの整備をはじめ、障害者の住まいの場の確保等について、國土交通省と連攜した取組を行っており、地方公共団體向けに厚生労働省?國土交通省の連名で「障害者の住まいの場の確保のための福祉部局と住宅部局の連攜について」の通知を発出し、現(xiàn)在実施している両省の施策について広く紹介するとともに、各地方公共団體においても、福祉部局と住宅部局の連攜を図り、これら施策について取組を強(qiáng)化するようお願(yuàn)いしました。
…引用ここまで
このように、政府?行政は障がい者の方々の住まいの整備に力を入れている。これは、“一億総活躍社會(huì)”という政府の方針によるところが大きい。
2つ目の理由として、市街中心部から離れた場所は、これまで賃貸住宅の入居率で苦慮することもあった。しかし、障がい者向けのグループホームは、地域一體化の流れの中で、市街地の中が望ましいが、その周辺でもいいとされており、それは、賃貸需要的には少ないエリアともいえ、こうした場所の土地活用につながる可能性を秘めている。
このようなことから、注目を浴びている「土地活用」としての障がい者向けグループホームであるが、厚生労働省の資料によると、各種補(bǔ)助をうけるには、定める規(guī)定を満たすこととされている。
まず、施設(shè)に求められる要件として、
- （1）共同生活住居ごとに1以上のユニットが必要
- （2）ユニットの入居定員は2人以上10人以下（既存建物を活用する場合は、最大30名以下）
- （3）居室及び居室に近接して設(shè)けられる相互に交流を図ることができる設(shè)備を設(shè)ける
- （4）1部屋の定員は、原則1人で、居室面積は収納設(shè)備を除き7.43m2 と決められている。（ちなみに、1つの住居の利用者數(shù)の平均は5名程度）
グループホームの利用者數(shù)は、障害者自立支援法施行前の平成17年度の3.4萬人から著実に増加している。（注：障害者自立支援法 → 障害者総合支援法（平成25年4月1日）以降に変更）
また、各自治體が策定した障害福祉計(jì)畫においては、平成26年度に全國（福島県を除く）で9.8萬人分が利用することが見込まれており、今後とも整備の推進(jìn)が必要とされている。平成20年4月から平成25年3月までの5年間で、グループホームは、利用者數(shù)が7,638人（1,527人 / 年）増加。ケアホームは、利用者數(shù)が30,497人（6,099人 / 年）も増加している※。
※出典は、厚生労働省 「障害者の地域生活の推進(jìn)に関する検討會(huì) 資料」
そして、利用者數(shù)の推移を障害種類別にみると、いずれも精神障害者の伸び率が知的障害者の伸び率を上回っている。また、年齢別にみると、グループホーム?ケアホームともに、60歳以上の利用者の利用者全體に占める割合が増加している。
このように、障がい者向けグループホームの利用者は、著実に増加しており、今後もこの傾向は持続すると見込まれる。
しかし、注意しなければならないこともある。
それは、運(yùn)営事業(yè)者をどう選ぶか？ということだ。介護(hù)業(yè)界と同様に、障がい者福祉の現(xiàn)場でも人手不足であり、サービスの低下も懸念されている。
また時(shí)に様々な問題を起こす事業(yè)者もあるようだ。もし、何かの問題が起こし、そのグループホームの入居率が下がったりすれば、賃貸経営そのものが行き詰まる可能性もある。
また、（殘念な事と言えるかもしれないが、事実として）、近隣からの反対も少なからずある。こうした問題を、建築するハウスメーカーと運(yùn)営業(yè)者と協(xié)力して、適切にクリアすることが求められる。
障がい者用賃貸住宅施設(shè)のニーズは高まっており、政府も後押しもある、そして、土地を所有するオーナーとしての社會(huì)貢獻(xiàn)イメージも高まることになる。これから、大いに注目される、土地活用のパターンかもしれない。
