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樹に咲く豆の花

藤＝藤棚、藤娘、かんざし、源氏物語…

少々主観が強いかもしれませんが、藤に対するイメージは「日本古來の花」。

日本には特定の國花はないらしいのですが、桜?菊と同様に、藤も日本を象徴する花なのでは？なんて思います。

ところで「藤」はマメ科であることをご存知でしょうか。

大豆や枝豆、空豆なんかと同じ科です。

とはいえ、片や「木」、片や「草」、姿には大きな隔たりがあるのですが…。

どちらもちゃんと豆のサヤが付きます。はい。

とある民家で手づくりの藤棚に、今まさに咲こうとする藤の花を見つけました。

あまり気にしたことはなかったのですが、藤の花の蕾というものを初めて見ました。

すいません、イメージを壊してしまうかもしれませんが、なんとなく思ったのは「蟲」？

それもなんだかイモムシ系の…

でもそれが次第に延びて、美しい花房になるんです。

そういえば他のマメ科の花とは花の付き方が全く違う。

スイートピーなどがマメ科の典型的な花でしょうか。

藤の花房はスイートピーの花が、ぶどうのようにたくさん集まって華やかで可愛い姿をしています。

なのに、しっとりした日本情緒あふれる風情があるのです。

これから夏に向けて、佐田岬半島にはたくさんの花が咲き初めます。

どれも品種改良され、花屋で売られるような華やかな花ではないですが、自然に愛し育てられ、半島の風景に一番似合うかわいらしい花々です。

個人的に特に好きな花は、初夏にまっしろい小さな花をつける卯の花。

ヤマアジサイやホタルブクロ、綿毛のような花のアオダモなどもいいですね。

山野草の美しさは、ちょっとだけ意識を変えて「みて」みればすぐにわかります。

淡いけれど、人の手では絶対に作り出せないような繊細な色彩。

小さいけれど、個性的な味わいを持った花の形。

群生した華やかさはないけれど、木々の間にひっそりと咲いく奧ゆかしい美しさ…。

季節の移り変る姿を草花が現してくれているように思います。

（寫真はすべて平成21年4月撮影）

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