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「須賀山(すがさん) 正智院(しょうちいん) 円明寺」

天平勝寶元年（746）、聖武天皇の勅願により
行基が自ら阿彌陀如來像を彫って安置したのが
始まりと伝えられている愛媛県?松山市の円明寺。

民家の建ち並ぶ古いまちなみの中に
溶け込むように佇んでいて、
ご近所の人も気軽にお參りに來ています。

四國霊場の中では獨特な雰囲気を
醸し出しているお寺ですが、
お遍路さんたちもその親しみのある雰囲気に
ほっと和んでいるようにも感じられるのです。

山門をくぐると左手に太子堂、右手に観音堂、
正面に中門とその向こうに本堂が一望できる
比較的こじんまりとしたお寺ですが、
それでもさすが四國霊場のお寺の一つらしく見どころは満載。

十一面観音像が安置された観音堂は、
斷絶した伊予の國の國主?河野家の遺臣たちの
追善供養のために建立されたといういわれがあり、
また関ヶ原の戦いで亡くなった兵士たちの
霊を慰めているとも伝えられています。

「四國仲遍路同行二人今月今日平人家次」
と書かれた銅製の納札は日本最古（1650年）のもの。

山門を入ってすぐ左手にある燈籠は、
一見ではわかりにくいのですが
十字架のような形になっていて、
聖母マリアらしき女性の姿が刻まれていることから
「キリシタン燈籠」と呼ばれています。

キリシタン禁制の江戸時代に、円明寺では
信者の禮拝を黙認していたと思われているそうです。

また、本堂の中には長さ4mもあろうかという
巨大な龍の飾り彫りがなされています。

一説に名工?左甚五郎の作ともいわれていて、
まるで生きているような躍動感あふれる迫力があります。

“生活と密著した信仰を感じられる”
ともいえるような雰囲気をもつお寺なのです。

愛媛県松山市?第53番札所「須賀山正智院円明寺」

ロイヤルシティ佐田岬リゾートより約90Ｋｍ?車で約2時間30分
寫真は平成26年7月撮影
※寫真の掲載につきましては
“四國八十八箇所霊場會”から使用の承諾を頂いております。