住宅購入を検討する子育て世帯なら、どんな家が子育てしやすいかと悩むことも多いでしょう。
その答えは家族によってさまざまですが、子育ても家事も仕事もしやすい家だとうれしいですね。
さらに、激変する社會に対応し、人生を豊かに生きる力を育める家であることも大切です。
そんな家づくりについて、日本、プエルトリコ、アメリカなどに住み、
國內(nèi)外で子育て活動に攜わってきた長岡真意子さん(ユア子育ちスタジオ代表)にお話を伺いました。
Part1子育て世帯にうれしい家づくりとは?
20?40代が住宅を購入する主な動機は出産や子育てです。そのため間取りや設(shè)備を考えるときも子育てが重視されますが、実際にはどんな家が適しているのでしょうか。子どもの自主性を育む環(huán)境づくりの視點からも解説します。
家族のために家を買う20~40代
住宅金融支援機構(gòu)の調(diào)査※1では、20?40代の戸建てやマンションの新規(guī)購入?住み替えの動機として「子どもや家族のため」が最も多く、「出産、結(jié)婚を機に」「教育や子育て環(huán)境」なども挙がっています。子どもが成長したり、第二子?第三子が生まれたりする中で、「家族がのびのびと暮らせるよう広い家に住みたい」「新しくて快適な家で暮らしたい」といったニーズが高まるのが理由だと考えられます。

それでは、子育てにはどのような住まいが望ましいのでしょうか。國総研の「子育てに配慮した住宅と居住環(huán)境に関するガイドライン」※2では以下のようにまとめられています。
- 基本的視點1 子どもや妊婦にとって安全?安心な環(huán)境
- 基本的視點2 子どもの健やかな成長を支える環(huán)境
- 基本的視點3 快適に子育てできる環(huán)境
- 基本的視點4 親が快適に暮らせる環(huán)境
これを見ると、親子にとって安全?安心な環(huán)境(視點1)を前提に、親が快適なことも含めた子育てしやすい環(huán)境(視點3と4)、子どもの成長を支える環(huán)境(視點2)が重視されているとわかります。
1. 子育てしやすい環(huán)境
夫婦のいる世帯のうち、約7割が共働き世帯※3の時代に子育てしやすい家を考えるには、「子育てと併せて家事や仕事もしやすい家」の視點は欠かせません。前述のガイドラインの視點3と4でも、生活音の発生への配慮、子育て?子育ちに必要なものの収納、家事負擔の軽減、テレワークに対応した環(huán)境、親がくつろげるスペースの確保などが挙げられています。
2. 子どもの成長を支える環(huán)境
また、子どもの成長を支える環(huán)境について、ガイドラインでは健康面での環(huán)境整備、親子や多様な世代?地域とのコミュニケーションなどが中心になっていますが、加えて長岡さんは文部科學省が提唱する「生きる力」※4を養(yǎng)う環(huán)境として、「安心できる」「好奇心を育む」「他者と関わる」が大切と言います。

?「安心できる」
情動面、知的面、社會面の成長の土臺となるもので、子どもが「安全である」「見ていてくれる」「必要なときに寄り添ってもらえる」と感じられるような環(huán)境づくりが大切です。
?「好奇心を育む」
安心できる環(huán)境で、子どもがのびのびと好奇心を発揮し、興味?関心を持つものを夢中で探索することにより、知的面や感性面における能力やスキルが大きく伸びていきます。
?「他者と関わる」
安心できる環(huán)境で、好奇心を育み能力やスキルを伸ばしていく、そして他者と関わることによって、社會性が養(yǎng)われていきます。
こうした環(huán)境を整えるための間取りや設(shè)備について、次のPart2から詳しくご紹介していきます。
Part2子育てしやすい家づくりのアイデア

まずは、子育てしやすい家づくりのアイデアをご紹介します。
1. 家族の絆を深める
リビング?ダイニング
家事やテレワークの合間に子どもの様子を見守りたい、將來はリビング學習でも使いたいなどの希望を葉えるのが、家族が集まりやすい広々としたリビング?ダイニングです。
広くて過ごしやすいリビング?ダイニングがあれば子どもがのびのびと遊べますし、家族みんなが集まっても窮屈さを感じません。同じ空間にいながらも、それぞれ読書やゲームなど好きなことをしながら、時折會話するといったことも可能なので、快適に過ごせるでしょう。家族が同じ空間で過ごすことが増えれば自然とコミュニケーションも深まるはず。
リビング階段があれば、子どもが成長して2階の子ども部屋で過ごす方を好むようになっても、出かける際や帰宅の際に顔を合わせる機會があるので、コミュニケーションが取りやすくなります。
2. 動線が快適な間取りにする
家事動線を快適にすることで、子育て世帯の負擔は軽減できます。キッチン?洗面所?浴室などの水回りをまとめたり、洗濯する場所?干す場所?収納する場所を一つにしたランドリールームを設(shè)けたりするなど、関連する家事がスムーズに行えるよう間取りを工夫しましょう。
生活動線も同様です。汚れて帰宅した子どもが、リビングを通らなくてもスロップシンクや浴室まで直行できる間取りにすることで、掃除箇所が増えるのも防げます。
3. 収納スペースを充実させる
子どもが成長するにつれさまざまな持ち物が増えますが、家の中のあちこちに散らかってしまわないよう収納スペースを確保する必要があります。その際は子どもが自分で片付けやすい環(huán)境づくりも大切です。本人の手が屆く場所に収納スペースを設(shè)けて、お絵かきの道具、おもちゃ、ぬいぐるみなど大まかに分けて入れられるボックスを用意するなど、片付けが習慣化しやすい仕組みをつくりましょう。

さらに玄関に土間収納を設(shè)けることで室內(nèi)に汚れを持ち込まずに済み、掃除の手間も軽減。ベビーカーなども収納できます。また、ファミリークローゼットをランドリールームの近くや家族全員がアクセスしやすい部屋に作れば、洗濯物を収納するときの移動を少なくできるメリットもあります。
4. ワークスペースを確保する
専用の部屋を作らなくても、家の中で滯在時間が長いキッチンやリビング、靜かな寢室、階段の下や廊下の端などを間仕切りやパーティションなどで仕切ればワークスペースとして使えます。リビングの一角やリビング階段下のワークスペースなら、子どものリビング學習にも便利です。
5. 生活音をコントロールする
子どもの健やかな成長のために、周囲の生活音を上手にコントロールすることも大切です。防音性を高めた靜かな部屋ならお晝寢もしやすくなるでしょう。また、趣味に使う部屋などの防音性を高めて、そこをワークスペースとしても活用すれば仕事に集中しやすく、家族を気にせず社內(nèi)外の人とオンライン會議などで話すことができます。

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6. 安全?安心に配慮する
小さな子どもは床面のわずかな段差でも転倒しやすいため、室內(nèi)の段差をなるべく減らすバリアフリーな設(shè)計にしたり、転倒したときに衝撃が少ない床材にしたりすることも考えましょう。階段には転落防止柵をつけ、使っていないコンセントには感電防止のためキャップをするなどの安全対策も必要です。
7. 家計の負擔を抑える
こうした子育てがしやすい家づくりを考える中で、悩みのタネは住宅価格の上昇や物価の高騰、光熱費の負擔増などによる家計への影響です。間取りや設(shè)備にあまり妥協(xié)せずに家計への不安を軽減するには、補助金が利用でき、高い斷熱性能と省エネ設(shè)備で光熱費も抑えられるZEHなどの住まいを選ぶと良いでしょう。現(xiàn)在は省エネ性能など所定の條件を満たす新築住宅に子育てグリーン住宅支援事業(yè)」「による補助金も利用できます。また住宅価格が魅力的な高コスパの規(guī)格住宅も家計にやさしい住宅といえます。
Part3子どもの「生きる力」を育む家づくりのアイデア
続いて、子どもの「生きる力」を育む家づくりのアイデアをご紹介します。
1. 子どもの成長に合わせた間取りにする
リビングで勉強ができるようなカウンターやスタディスペースを設(shè)けると、リビングを見通せるキッチンやワークスペースからの見守りも可能に。子どもが「親が見ていてくれる」「必要なときには寄り添ってくれる」と感じられる環(huán)境は、「生きる力」を育む土臺となる、「安心できる」ことにもつながります。家族やお客さまなどの「他者と関わる」ことも増えるでしょう。
また、小さい頃は自分の部屋が必要なかった子どもたちも、成長するにつれてプライベートな空間が必要になります。その際、1つの部屋を間仕切りで2つに分けて使うという方法もあります。可動間仕切収納などを活用すれば、それぞれの部屋を持てますし、一人が獨立したら1部屋にして使うこともできます。
2. 自然を身近に感じ、自然と觸れ合える場所を設(shè)ける
庭やベランダに子どもが遊べるスペースや植物を育てるスペースを設(shè)けると、自然を身近に感じることができます。四季により変化する草花、生き物が次の世代へと命をつなぐ様子などが、「好奇心を育む」ことにつながるでしょう。
3. 子どもの五感を刺激する>空間をつくる
子どもが落書きをするのは自分を表現(xiàn)したいという気持ちの表れ。大きなサイズのホワイトボードなどを置き、お絵かきができる場所や工作などができる場所を家の中に設(shè)けると、子どもは自分の発想を自由に試すことができます。そうした體験は子どもの集中力や自己肯定感を高めてくれます。?どもが描いた絵などを飾れるピクチャーレールを設(shè)置するのもおすすめです。
また、無垢材など自然素材を取り入れた家づくりをすることで、木目の美しさ、木の香り、溫かくて柔らかな手觸り?踏み応えなどが、子どもの五感を刺激してくれます。 洞窟のようなおこもり空間も子どもには大人気で、子どもだけでごっこ遊びをするなど、感性を育むのに貢獻してくれるでしょう。
4. 家族のコミュニケーションを育む
間取りにする
広くて家族が集まりやすいリビング?ダイニング、家族で一緒に料理ができる広いキッチンなど、家族がコミュニケーションしやすい間取りなら、子どもは自然に「他者と関わる」機會を持てます。
また、リビングの一角に家族の共用スペースになるライブラリースペースを設(shè)けて、子どもの絵本や教科書、親の本やパソコン?タブレットなどを置くのも良いでしょう。子どもがのびのびと好奇心を発揮し、自らの取り組みに夢中になれる場所になれば、知的面や感性面の能力?スキルも磨かれます。
さらに、熱心に本を読む子どもの様子から、今の興味?関心に親が気づくことで、コミュニケーションもスムーズになるでしょう。落書き用の大きなホワイトボードや黒板を、親子で一緒に決めたことや伝言などを書くコミュニケーションツールにするのも良いですね。


5. 子どもの自主性を育む空間を設(shè)ける
子どもが自分のものを自分で片付けるようにするには、親子で話し合って片付けのルールを決めるところから始めましょう。親が頭ごなしに決めたルールより、子ども自身が決めた方が自主的に守ろうとするからです。「自分専用カタヅケロッカー」など自分専用とわかる?yún)Ъ{スペースを設(shè)ければ、さらに片付けの意欲は高まるでしょう。
家族とのコミュニケーションを考えると、子どもが自室に閉じこもることは避けたいものの、子どもが集中しやすい環(huán)境や一人の時間を過ごせる環(huán)境で自主性を養(yǎng)うために、子ども部屋は重要です。
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このような間取り?設(shè)備に加え、子どもが成長しても幼児期の豊かな好奇心を持ち続け、「生きる力」を育むには以下のような親の心構(gòu)えや環(huán)境づくりも大切です。
?親の顔色ばかりを窺うことのない環(huán)境づくり
親が情動のアップダウンを子どもにそのままぶつけないよう心がけたいもの。そのためには、親と子が適切な距離感を保ってお互いが落ち著けるプライベート空間を確保できる間取りにするのも一つの方法です。例えばリビングと離れた位置にテレワークスペースを設(shè)けると、仕事中に家族の生活音が聞こえてイライラすることも減るでしょう。また、家事がしやすい間取りもイライラを減らすという點では効果的です。
?人と比較しない、自分の興味関心を大切にできる環(huán)境づくり
親が子どもを他の子と比較しない、その子自身の興味?関心を大切にしてあげることが大切です。家づくりにおいては、子ども部屋でもリビングでも、子どもの好きなものを身近に置いてあげるなど、好きなことにいつでも沒頭できる空間を用意してあげると良いでしょう。また、子どもが何かに沒頭しているときに親の都合でそれを中斷しないように気をつけることで、子どもの集中力も身に付きます。
?親切過ぎない環(huán)境づくり
何か困ったことや質(zhì)問があったときに、すぐに答えを示さず子ども自身で探索できるよう促すことも大切です。その他、家庭內(nèi)のルール(寢る時間やゲームの時間など)を共に話し合って決めることもおすすめです。自分で決めたことであれば自主性が高まり、子どもも親もストレスを感じることが減るでしょう。家づくりにおいては、上記でご紹介したような自分専用カタヅケロッカーなど、自主性を促す設(shè)備を設(shè)けるのも良いでしょう。
子育ての期間は一般的に十數(shù)年で終わり、子どもが獨立すれば夫婦だけの老後生活が待っていますから、子育て期間だけでなく將來にわたって使いやすい家づくりを考えていきたいですね。
Part4 子育て世帯にうれしい大和ハウスの注文住宅
優(yōu)れた設(shè)計力と技術(shù)力、入居後のサポートが充実した大和ハウスの注文住住宅なら、家族の理想の間取りを?qū)g現(xiàn)できるでしょう。そして、子育て世帯にも人気の注文住宅を、フルオーダー住宅、規(guī)格住宅、セミオーダー住宅の3タイプから選べます。
子育てや家事?仕事へのこだわりを
実現(xiàn)するフルオーダー住宅
さまざまな家族のこだわりを?qū)g現(xiàn)するのが、ハイレベルな住宅設(shè)計のプロや豊富な知識?経験を持つインテリアコーディネーターが在籍する、大和ハウスによるフルオーダー住宅です。バリアフリーな設(shè)計にしやすい平屋から、狹小地でもゆとりある暮らしが可能な5階建てまで、幅広い商品ラインアップでお客さまの理想の家づくりをサポートしています。さらに子育てしやすい住まいのアイデアが盛りだくさんの『子育てするイエ』も提案しています。

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子育て世帯に人気の間取りも。
コスパ?タイパが高い規(guī)格住宅&
セミオーダー住宅
大和ハウスはこれまで何萬件もの住宅を手掛けてきました。そのデータベースの中から、厳選された人気の間取り(2,300以上ある)がベースプランになるのが、大和ハウスの「Smart Made Housing.」(規(guī)格住宅?セミオーダー住宅)です。
価格を抑えながら間取りや外裝?內(nèi)裝、設(shè)備などを注文住宅品質(zhì)で実現(xiàn)できるコスパと、打ち合わせからプラン提示、契約まで短期間で終わるタイパが特徴的です。

規(guī)格住宅は、多様な間取りの中から自分たちが住みたいものをセレクト。子育て世帯に人気の平屋プラン、ファミリークローゼット付きのプランも用意されています。セミオーダー住宅は、規(guī)格住宅と同様2,300以上の間取りから選んで、さらにそれをカスタマイズすることが可能。自分たちらしい子育て、家事、仕事にこだわった間取りに近づけられます。
「Smart Made Housing.」の間取りは簡単登録で見放題なので、ぜひ、子育て世帯にうれしい間取りを見つけてください。
Part5子育てには家の力が欠かせない
共働きが當たり前になり、限られた時間を使って、仕事と家事と子育てに勵んでいかねばなりません。毎日がもっと楽しくなるように、「子育てしやすい家」という視點だけでなく、「子どもの成長を応援できる家」の視點も持って、家づくりを進めていきたいですね。
どんな間取りや設(shè)備が必要なのかは理想とするライフスタイルによってさまざまです。ただ漠然と間取りや設(shè)備のことを考えても、なかなか理想的な答えにたどり著かないかもしれません。
そんなときは多くの子育て世帯をサポートしてきた大和ハウスの経験豊富なプロの力を借りる、「Smart Made Housing.」で子育て世帯に人気の間取りを參考にするなど、具體的な情報を集めていくことで「こんな暮らし方がしたかった」と気づく近道もしれません。まずは大和ハウスのWebサイトや住宅展示場のモデルハウスで商品ラインアップをチェックしてみませんか。
お話を伺った方
長岡 真意子(ながおか まいこ)さん
子どもの主體性が育ち、親が楽になる知恵を提供する、子育ち研究家。ユア子育ちスタジオ代表。現(xiàn)在はカリフォルニア州在住。大學講師から幼児教室主宰まで、幅広い年齢と文化背景を持つ乳幼児から青年までの育ちを20年間指導(dǎo)。國內(nèi)外1,000以上の文獻に基づく子育てコラムの執(zhí)筆多數(shù)。二男三女の子育て中を通してさまざまなコミュニティー活動に攜わり、自身でも子育て支援の活動に取り組む。
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