【総合技術(shù)研究所～研究員たちの肖像 vol.5】“気になる音”を防ぐ家は
“心地よい音”を楽しめる家になる

Profile

総合技術(shù)研究所 住宅技術(shù)研究部 環(huán)境設(shè)備グループ

鈴木 秋甫

一級(jí)建築士

プロの音楽家が認(rèn)める「音」の家

総合技術(shù)研究所には、365日、音のことばかり考えている研究員たちがいます。屋外から聞こえる自動(dòng)車の音や人の話し聲。上階から伝わる生活音。そして楽器やオーディオから流れる豊かな音色。研究員たちは日々、家の中の“気になる音”と“心地よい音”について考え、音の技術(shù)を究める研究開発に取り組んでいます。

“気になる音”をさえぎる「遮音性」の技術(shù)は、「xevoΣ（ジーヴォシグマ）」をはじめとするさまざまな住宅商品で生かされています。

例えば屋外の騒音は、音が外壁を揺らす振動(dòng)によって屋內(nèi)に伝わります。これを軽減するのが「外張り斷熱通気外壁」です。名稱だけではお伝えしきれませんが、この外壁、遮音性も優(yōu)れもの。二重の防振構(gòu)造により住宅業(yè)界で最高クラスの外壁遮音性能D-50^※を?qū)g現(xiàn)しました。性能は鉄筋コンクリート造のマンションと同等。交差點(diǎn)並みにうるさい屋外の音を、屋內(nèi)では換気扇の音と同じレベルにまで低減します。

• ※D値とは、JISに規(guī)定される空気音の遮音等級(jí)。數(shù)値が大きいほど遮音性能が高いことを示します。
• ※実験値であり、現(xiàn)場(chǎng)での性能を保証するものではありません。

※xevoΣの「防音外壁」/防音グレード：スタンダード防音

マルチプレックス遮音床 概念図

上階から伝わる足音や椅子の引きずりなどの生活音も気になります。xevoΣでは2階以上の床に二重の防振技術(shù)を取り入れた「マルチプレックス遮音床」を採(cǎi)用^※。床から柱や梁に伝わる音を抑えました。

※防火仕様により、床の構(gòu)成が一部変更となる場(chǎng)合があります。

そして“気になる音”をさえぎる靜かな家は、“心地よい音”を楽しむ快適防音室快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」へとつながっていきます。快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」はxevoΣの建物をベースに、さらなる「防音」と「音響」の技術(shù)をプラス。部屋の中に、箱のような“狹い?低い?暗い”防音室をつくるのではなく、建物との一體設(shè)計(jì)で部屋そのものを“広い?天井が高い?窓があって明るい”防音室へ。「LDKを防音室に」「1階全體を防音室に」「防音室に吹き抜けがほしい」などのご要望にも応えられるようになりました。

余談ですが、ヨーロッパの音楽大學(xué)やパリ?オペラ座のような歌劇場(chǎng)周辺で、音大生や音楽家が暮らすアパートメントは、天井高が3mもあって音の響きが抜群なのだそうです。同じように快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」も天井高を最大3mまで設(shè)定できます。

その評(píng)判は、クラシックやジャズ、ポップスなど著名なプロの音楽家にも広がっています。世界最高峰といわれるグランドピアノや、イタリアで製作された高さ4.5mのパイプオルガンを設(shè)置したことも。「防音」と「音響」を両立した家を建てられるハウスメーカーとして、音にこだわるプロの方々のご要望にお応えしています。

ここまで音響にこだわるハウスメーカーはない？

ダイワハウスの家が「音」に関して高い評(píng)価を得ている背景には2つの強(qiáng)みがあります。1つめは住宅音響に関する“音の専門家”である研究員が何人もいて、防音室の設(shè)計(jì)から響きの微調(diào)整まで行うこと。他社の場(chǎng)合、防音室は防音専門メーカーに外注してつくるケースが大半ではないでしょうか。研究員の一人である鈴木は、今は子育てで休んでいますが市民オーケストラでヴィオラを弾き、子どもと一緒にヴァイオリンを練習(xí)する音楽好き。他の研究員もピアノやドラムなどの演奏者です。

2つめは総合技術(shù)研究所に「殘響室?無響室」という“音の研究室”があることです。鈴木によると「殘響室は音が響いて、さっき話した言葉が部屋に殘り続けている感じ。逆に無響室は話した言葉が口元でとどまって広がらず、耳が詰まったような感覚になります」。では、これらの研究室でどんな実験を行っているのか見てみましょう。

「殘響室」は分厚いコンクリートの壁で覆われた研究室です。音が反射しやすい環(huán)境をつくり、音の伝わり方や防音性能を検証します。部屋の形は不等辺五角形。正四角形のように壁が平行に向かい合っていると、音が延々と反射する音響障害を起こすため、あえて壁は斜めに。コンサートホールが不整形なのも同じ理由です。

扉は天井と同じ高さ約7m、重さ約2.5t。この扉から材料を運(yùn)び入れ、殘響室の壁面?床面に実大の壁?床を施工し、隣や階下の実験室で音がどれだけ小さくなるかを検証します。

「無響室」は室內(nèi)全面にくさび形の吸音材グラスウールを貼って音の反射を極力抑え、音源から出る音そのものを調(diào)べます。夜中になると冷蔵庫(kù)のジーッと鳴る音がやたら耳につくことがありますが、そんな設(shè)備機(jī)器から出る音や建具の隙間から漏れる音などを測(cè)定します。

殘響室

無響室

快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」も音の研究室から生まれました。外張り斷熱通気外壁に防音パネルを追加した「防音外壁」。楽器演奏の響きを美しくする「コーナーチューン」やスピーカーからの音に臨場(chǎng)感を生む「オーディオチューン」など特許取得の音響アイテムも誕生。鈴木は「ハウスメーカーの中で最も『音』に力を入れているのは私たちかもしれません」と胸を張ります。

楽器演奏の響きを美しくする「コーナーチューン」
（特許取得）

スピーカーからの音に臨場(chǎng)感を生む「オーディオチューン」
（特許取得）

窓のある明るい部屋で思いきり演奏する

大和ハウス工業(yè)が音の研究を本格的に始めたのは1973年、半世紀(jì)ほど前にさかのぼります。當(dāng)時(shí)は住宅の「遮音性」「防音性」はおろか、今では當(dāng)然のように求められる省エネ?斷熱性さえもそれほど重視されていない時(shí)代でした。

その頃から大和ハウス工業(yè)は「住まいは音の性能が重要である」という認(rèn)識(shí)を持ち、音の研究開発をスタート。「配管防音材」や「防音間仕切壁」、「マルチプレックス遮音床」など、音を軽減する技術(shù)を次々と実用化してきました。その系譜に連なる快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」を、鈴木はさらに進(jìn)化させようとしています。

「防音の弱點(diǎn)は、窓などの開口部です。だから従來の防音室は開口部が少なく、暗いイメージがありますよね。その印象を快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」は大きな窓を?qū)肟赡埭摔工毪长趣菕B拭しました。また、防音室は高い防音性能ゆえに室內(nèi)の気配を感じにくくなってしまいます。そこで、防音性能は維持したまま、気配を感じられるようにしたいと考えました」

開発にはいくつものハードルが立ちはだかっています。例えば開口部のガラスを厚くしすぎると、ガラスの中で音が共振して防音性能が低下。音が伝わりにくいように二重ガラスの間を離して空気層を広げようにも、サッシや壁の厚さには制限があります。しかも「ガラスと建具の隙間が弱點(diǎn)。隙間をどう解消するかも悩ましいところです」と鈴木。そこで試しにダイワハウスの家で通常使っている室內(nèi)窓を測(cè)定すると、予想以上のよい數(shù)値が出て「これなら使える！」という判斷に。同じ建具を使えれば、家全體の統(tǒng)一感も生まれます。ダイワハウスの基本性能の高さを改めて感じた出來事でした。

鈴木はこれらの課題解決と同時(shí)に、快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」を「リフォーム」に対応させる技術(shù)開発にも取り組んでいます。防音だけではなく、獨(dú)自の音響アイテムで音の響きまで提案する。防音室と同時(shí)に、防音専門の業(yè)者では難しい家のフルリフォームにも対応する。ダイワハウスだからできる音にこだわったリフォームを多くの人にお屆けしたいと奮闘しています。

音で暮らしに付加価値をもたらしたい

防音室は音楽家など一部の人が持つ特別なもの、という考えは過去のものになるかもしれません。快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」は理想の音環(huán)境をローコストで実現(xiàn)。一般的な防音室と比べて約1/3の価格から設(shè)置できます。

しかも、これまでの防音室はせっかく費(fèi)用をかけても “外の人”に迷惑をかけないための防音に目が行きがちでしたが、快適防音室＆靜音室「音の自由區(qū)」は部屋の“中の自分”が音を楽しむための音響や空間設(shè)計(jì)も追求。一般的な防音室の概念を大きく覆しました。

「今までは外部のスタジオや練習(xí)室をレンタルしていた人も、コロナ禍でそれが難しくなり、『自宅にスタジオをつくりたい』というご要望も耳にします。何でも“外部化”していたものが、再び“內(nèi)部化”してきましたが、それに対応できるのは當(dāng)社の技術(shù)力があってこそだと思います」

自宅でのテレワークも、職場(chǎng)を家の內(nèi)部に移した一例です。「テレワーク時(shí)に仕事の大事な情報(bào)を家族に聞かれると困る」「Web會(huì)議中、生活音や聲が気になる」という意見も聞きます。コロナ禍で保育園や幼稚園が休園し、子どもたちが家の中で過ごす時(shí)間も増えました。

自身も育ち盛りの子どもたちを育てる鈴木は「赤ちゃんの夜泣きが近所迷惑だと言われ、精神的に追い詰められる方もいます。そんな時(shí)に音を気にしない部屋があれば、おおらかに子育てできると思うんです。ペットの鳴き聲もそうですよね。靜かに眠れる部屋を求める方もいらっしゃいます」と、音の技術(shù)で解決できることはまだまだあると考えます。

今後、住宅の「音」の技術(shù)はどう変わっていくのでしょうか。「究極の理想形ですが、1つの空間で各々が別のことをしていても他の音が聞こえない家をつくれたら、ハウスメーカーとしては最高ですよね」と鈴木。ダイニングで勉強(qiáng)していても、隣のリビングでテレビを見る音は聞こえない。でも、みんなが同じ空間にいる。そんな未來がすぐ近くに來ているかもしれません。音の専門家たちはこれからも、音で暮らしに付加価値をもたらす技術(shù)を追い続けていきます。