【あそ通信】熊本の銘品シリーズ19 ~やまが復刻紅茶~
- 更新日:2010年09月02日
- カテゴリ:周辺情報
熊本の銘品シリーズ19
100年の時を経て復活した日本初の紅茶 ~やまが復刻紅茶~
山の斜面に沿うように點々と広がる小さな茶畑。標高300mに位置し、霧深く、清らかな水に恵まれ、茶栽培に適した気候風土の山鹿市鹿北町岳間地區(qū)で栽培される”岳間茶”は、細川公へ獻上される”御前茶”となるなど、昔から上質な茶として知られていました。この岳間地區(qū)が「國産紅茶発祥の地」であることをご存知でしょうか。
明治時代初期、日本は海外へ農産物を輸出し、外貨を得ていました。當時の主力商品は緑茶と生糸。しかし、世界的には緑茶よりも紅茶の方が広く親しまれていると考えた政府は、緑茶から紅茶への転換を計畫します。
1875(明治8)年、政府は中國から2人の紅茶製造の技術者を呼び寄せ、山に自生する”山茶”が豊富にあった山鹿に日本初の「紅茶伝習所」を設置。輸出用の紅茶の製造に著手するものの、明治末期に紅茶の生産は減退してしまいました。
▲「やまが復刻紅茶」ティーバッグ20個入り840円、10個入り525円
▲「やまが復刻紅茶」や緑茶などの各商品は店頭で購入できます
岳間地區(qū)での紅茶製造の経緯を、藤本製茶の藤本邦夫さんが鹿北町誌や熊本県の茶業(yè)史などで知ったのは2003(平成15)年のこと。「”日本初”という言葉に惹かれ、伝統(tǒng)の紅茶を復活させようと考えました」と話します。
元々、緑茶を手掛けてきた藤本さんは、紅茶作りは初めて。そこで、九州各県の紅茶生産者を訪ねて、製造法の研究を重ね、2008(平成20)年に『やまが復刻紅茶』の販売を開始しました。
自社の有機栽培茶園の茶葉のみを使用した紅茶は、優(yōu)しい香りと、渋みが少なく、まろやかな口當たりが特長です。「まずは何も足さずにストレートで味わってほしいですね」と藤本さん。パッケーデザインには山鹿を代表する建物?八千代座が建てられた明治初期の町並みをイメージしたイラストを使用。「山鹿を訪れる人に、紅茶を通して山鹿をアピールしたい」と、観光客へ向け、山鹿市內のホテルや旅館、物産館で販売しています。
100年の伝統(tǒng)を持つ、日本初の紅茶。山鹿を訪れた際には、古き良き町並みの風情を楽しみながら、ぜひ味わってみたい逸品です。
▲のどかな田園風景の中に建つ店舗
▲30年前から有機栽培に取り組んでいる3ヘクタールの茶畑
▲「栽培が難しい有機栽培ですが、芽の成長がよいのが自慢です」と藤本さん
▲県道18號線沿いにある黃色い看板を目印に
■藤本製茶
熊本県山鹿市鹿北町多久1498-1
TEL/0968-32-2540
アクセス/ロイヤルシティ阿蘇一の宮リゾートから約65km、車で約100分
平成22年8月撮影