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【オーナー日記】#34　どんと祭

更新日：2015年01月31日
カテゴリ：オーナー日記

　刈屋自治會が、大和ハウス工業株式會社の巖手支店を通じて”どんと祭”の案內狀をくださった。隣接の自治會および開拓神社のご厚意である。

　小正月には一足早い1月11日(日曜日)。素晴らしくいい天気だった。萬歩計が車の使用を許してくれないので徒歩。ぶらぶら散歩で20分ほどの所に初詣をした開拓神社がある。

　10分前についた時には境內に50～60人ほどの人だかり。境內の真ん中には方形に縄が張られ人の背丈ほどの高さに焚き上げのお札などが積み上げられ、天辺には古い宮形が乗っていた。

　間もなくして、女性の神職が登場して厳かに丁寧に神事を執り行い、列席者の挨拶の後、餅まきが始まった。3色の餅とお菓子、お餅には50円、100円硬貨が包み込んであるものがある。我が家では9個の餅と300円を収拾。お賽銭を上回ってしまった

。

　続いて焚き上げ。この時、全員に竹に刺した餅が配られた。大きくて、まだ柔らか味の殘っている餅だった。これを火にかざして、程よい焦げ目が付いたところで頂く。祈願！無病息災、五穀豊穣である。さらに甘酒の振舞もあり、至れり盡くせり

。

　この間に、リゾートの先輩諸氏にもお目にかかり、新たな一年のお導きをお願いした。およそ1時間の行事だった。さて、そろそろ引き上げようかと思った頃、さらなるプレゼント！お持ち帰り用”幸福の餅“　社の両脇に飾っていたミズキの枝に刺した3色餅(団子)を小さな枝に折って分けてくれた

。

　我が家で頂いた枝はかなり大きく、10個ほどの餅が付いていた。この日は天気も良かったが、気分はそれ以上に晴れ晴れとした。地域の皆さんには”本當にありがとうございます“と申し上げたい。

　持ち帰った幸福の餅は數日飾ったのち混ぜご飯に炊きこんでいただいた。後で聞くとこれは朝早くから中學生がボランティアで作ったものだという。行がてらに挨拶をしてくれた彼らはその帰りだったのだろうと合點した。また、女性の神職の方には初めてお目にかかったし、市長、県會議員の列席にも驚いた

。

　神奈川では自治會の更に下の???組と言われる単位で”どんど焼き“と稱して行われ、我が家でも2度ほど當番をしたことがある。こちらほど厳かではなく、３０軒ほどの単位だったので、田んぼの狹い農道で”のぼり“を上げて焚き上げを始めると、５～６人が顔を見せる程度。自分たちが用意したお神酒と乾きもので談笑しつつ、アルミ箔で包んだ持參の団子を焼いて帰る。

　火の粉が飛んできそうな家では心穏やかならず。隣接の田んぼでは灰の中に殘される針金などの始末に気をもむ。サラリーマン家庭でも”のぼり“の入った木箱が回ってきて、來年よろしくと言われるだけ。その時節になったら、自分で回覧を作って、事前に地蔵前に集積しているお札などを焚きあげるだけだった。

　何かにつけて伝統を殘していこうという挨拶を耳にするが、都市化の流れはそれを掻き消し、形骸化していく。今現在、そこに住んでいる人たちの生活に必要のないものはどんどん消えていく。そして、必要なものが新たに育まれる。殘したければそれが必要な生活をすることだろう。

　どんと祭のいわれを調べてみると、門松を目印に“年神様”が山から下り、小正月のどんと祭は年神様が帰っていくための火祭りだという。年神様の”年“とは穀物、別けても”米”を意味するものらしい。しかして、正月という行事はその年の五穀豊穣を祈願する行事なのだ。何でも意のままになると思う都市伝説と自然の懐深く抱かれて生活する人たちとの違いが行事の丁寧さによく表れているように思う。

坂久保様のプロフィールご紹介はこちら

開拓神社　　　　　　リゾートより約1km

※掲載の寫真は全て平成27年1月撮影

※オーナー日記は當社からの依頼により、オーナー様の日々の生活の情報をご提供いただき、當社スタッフが更新を行なっています。

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