なげきの杜で『神話』に想いを馳せる

なげきの杜で『神話』に想いを馳せる

　
　鹿児島神宮から水路沿いの小道を北東へ車で５分程のところに、古事記や日本書紀(jì)という大昔の言い伝えを書いた本の中に出てくる“蛭子（ひるこ）神社”があります。創(chuàng)建は神代にさかのぼりますが現(xiàn)在の神社は寛延三年（１７５０年）に遷宮されたとあります。
　
　


　この神社には神代の頃、高天原（たかまがはら）から「イザナギ」「イザナミ」という神様のふたりの間に産まれた子どもの「蛭子尊（ひるこのみこと）」を「天（あま）のいわくす船」に乗せて、下界へ流してしまわれたという伝説があり、その蛭子尊が祀られている神社です。
　
　この神社一帯は“なげきの杜”と呼ばれ「イザナギ」「イザナミ」の尊がそれを嘆き苦しんだ親心を察して、その名がついたそうです。
　
　
　
　
　


　水路を挾んで境內(nèi)に隣接した場所に、西郷隆盛翁が宿泊した宿を復(fù)元した“西郷どんの宿”があります。
　戊辰戦爭の後、薩摩に帰った西郷隆盛翁は、狩りとこの地の溫泉をこよなく愛し、度々訪れた日當(dāng)山溫泉。その際、宿泊していた龍寶伝エ門宅を當(dāng)時(shí)の茅葺きの雰囲気はそのままに、現(xiàn)在の場所に移設(shè)し保存されています。
　
　また、ここの水路にはゲンジボタルも生息し、季節(jié)になると幻想的なシーンを見ることもできます。
　
　“なげきの杜”には「蛭子」が乗せられ流され、この地にたどり著いた「天のいわくす船」から芽吹き育ったと云われる楠の古木は朽ち果てていますが、今では、その楠の子孫達(dá)が巨木となり付近に生い茂り、現(xiàn)在に息づいています。夏空、入道雲(yún)を見ながら、楠の木陰の下で、神代のころの物語から、明治の英雄に思いを馳せてみませんか。

　蛭子神社
　鹿児島県霧島市隼人町內(nèi)2563

　上記の寫真はすべて平成23年7月に撮影されたものです。
　
　■アクセス　霧島高千穂リゾートより約22㎞（車で約33分）