【オーナー日記】#8 移ろう季節
- 更新日:2014年07月24日
- カテゴリ:オーナー日記
現役で仕事をしていたころは、3月「桜が咲いた、春が來たなぁ」、5月「ゴールデンウィークだ、高速道路が渋滯するなぁ、ゴルフだけにしておこう」7月「お盆と夏休み、どうする?」と言って時が過ぎ去っていったように思う、なんと亂暴な!
今は大河の如くゆっくり流れる時間の隅々まで味わうことができる
殘雪をかき分けて“フキノトウ”が顔をだし、春を匂いで知らせる
4月中旬の盛岡の桜が開花する頃には、春の溫もりが気持ちいい、そのころから遠くの山の色づきを感じる
ここは標高が高く、桜の種類も大山桜で開花が遅く、五月中旬が花の見頃となる
ウグイス、カッコウが一日中啼き通し、牧草地ではヒバリがトンビをけん制するのに躍起になっている
平成26年6月撮影
6月になると突然ハルゼミが鳴き出す、まるで山そのものの鳴動のようだが、どれだけ大きな音になっても、決して騒音と思えないのが不思議である
6月のもう1つの風物詩は毛蟲の発生である。伸びた下草の中に山菜がたくさんあるのだが、毛蟲のバリアを破るには相応の度胸がいる。不用意に手を出すと、毒牙にかかり、1週間以上痛癢さが続く
その毛蟲たちも7月になると下草から木の葉に移り、見上げるとずいぶん大きくなって、巣篭りを始めている、今年は異常発生と皆さんが口をそろえる
もう少したったら蛾が大発生するだろうか?
7月になってハルゼミはピタッと泣きやみ、八幡平越しの夕日がさす頃、遠くで“カナ?カナ?カナ”と憂いを含んだようなヒグラシの聲が聞こえる。夜遅くにはフクロウの聲が聞こえたりする
ここでは桜だけが春ではないし、花見も然り

平成26年4月撮影
林や森の木々、足元の雑草まで生きとし生きるものが太陽の溫もりを感じて芽吹き、本當に千種萬種の花を咲かせ、その聲なき聲はベートーベンの第九のようだ
私たちはその中にあって、「わぁ~、綺麗、わぁ~、綺麗」と歓喜するのみだが、彼らの子孫繁栄のための努力も大変なものである

平成26年4月撮影
花が小さくて目立たないため、萼片を大きく綺麗にして受精の機會を高めようとするもの、この時期だけ葉の色をカラフルに変え、受精が終わると葉の色を元に戻すもの、蟲を閉じ込めて逃げ道を絶ってしまうもの
栄養狀態が悪いとオスのままいて、それが改善するとメスに変わるもの。下方の枝を自らの力で落としながら光を求めて背を伸ばし続けるもの
平成26年5月撮影
クマさんは栄養不十分で冬眠に入らなければならないときは卵子を著床させないという。ここでは身近に感じる
先日、散歩中に、「ここに來たときには、スズメもカラスもいなかったのよ!」という話しを聞いたが、スズメもカラスも人と共に生きる者たち、ここが彼らによって人里と認められたのかもしれない















